4話『復讐者と堕天使《決着》』
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くる。
「兵藤、これの持ち主はどこだ」
「あ、あぁ、そこの椅子に倒れている娘がそうだ」
俺は兵藤が指差した椅子の元に行き、倒れている女の前に立つ。
「俺が持つ力を本当の持ち主に返せ」
『 Authorize 』
俺の言葉に合わせ、先程の指輪は倒れている女の元へと戻っていった。
「これでお前の要望は果たした。俺はそこの堕天使を貰うぞ」
「ああ、ありがとう!修」
俺は兵藤の声を背中越しに聞きながら、堕天使の元へと歩いていく。
「………くっ、殺せ」
「……黙れ、お前に意見する権利はない」
俺はそう言って、堕天使を立たせる。
「……俺はお前に聞きたいことがある。だから、お前には俺についてきて貰う」
俺はそう言って歩き出すが、堕天使は中々その場から動こうとしない。
「………堕天使にこんなことをするなんて屈辱的だ」
「………え」
俺は堕天使を無理矢理抱き抱えて、教会から出ていく。
処遇お姫様抱っこだが、堕天使相手にやることになるなんて、気分は最悪だった。
堕天使を連れ、家の前まで帰ってきた俺は扉を開けた。
「一番奥の部屋に行け」
俺はそう言って堕天使を下ろした。
父さん、母さん、堕天使を家にあがらせることになったことは悪いと思ってる。
でも、これは二人の仇をとるために必要なことなんだ。
だから、後少しだけ待っててくれ。
俺は心のなかで父さんと母さんにそう言うと、堕天使が入っていった奥の部屋へと向かう。
「……他の部屋には入っていないだろうな」
俺は部屋に入るなり、ゴスロリの堕天使にそう言った。
「もちろん、入ってないっすよ」
「……ミッテルト、これはどういうこと?」
「レイナーレ様………」
「そんなことはどうでもいい。それよりも、俺はお前に聞きたいことがあると言った筈だ」
俺は堕天使達が何かを話す前に割って入ってそう言った。
「……お前が知っているなかで十枚の羽を持つ男の堕天使について教えろ」
「…………アザゼル様とシェムハザ様、バラキエル様、コカビエル様」
堕天使が言った四人の名前。
「その中でお前に接触してきたのは誰だ?」
「っ!?なぜ、そのことを!?」
「いいから、早く教えろ!」
「………コカビエル様よ」
コカビエル。
そいつが、父さんの仇。
そして、俺が殺すべき敵の一人。
「お前らには、もう用がない」
俺がそう言うと堕天使がビクッと僅かに肩を震わせた。
「……普段ならお前らを殺すが、今回は良い情報が聞けた。
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