4話『復讐者と堕天使《決着》』
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ー眷属の悪魔なの!それを自覚しなさい!」
「じゃあ、俺を眷属から外してください。俺個人であの教会へ乗り込みます」
「そんなことができるはずないでしょう!あなたはどうしてわかってくれないの!?」
こんなに部長が激昂したのは修が部室に来たとき以来だ。
「敵を消し飛ばすのがグレモリー眷属じゃなかったんですか?」
「……………」
俺と部長は睨み合う。
そこへそそくさと朱乃さんが部長に近づき、耳打ちする。
部長は俺をちらりと一目見たあと、今度は部室にいる部員全員を見渡すように言った。
「大事な用事ができたわ。私と朱乃はこれから少し外へ出るわね」
「ぶ、部長、まだ話は終わってーーーー」
言葉を遮るように、部長は人差し指を俺の口元へ。
「イッセー、あなたに二つだけ言っておくことがあるわ。あなたは『兵士』を弱い駒だと思っているわね?」
俺は部長の問いを静かに肯定し、頷いた。
「それは大きな間違いよ。『兵士』には他の駒にはない特殊な力があるの。それが『プロモーション』よ」
プロモーション?
なんだ、それは?
「実際のチェス同様、『兵士』は相手の最深部へ赴いたとき、昇格することができるの。『王』以外の駒全てにね。相手の最深部を現実でいうと、教会とかね」
「それと、もう一つ。神器について。イッセー、神器を使う際、これだけは覚えておいて」
少し間を開けて、部長が言う。
「ーーー想いなさい。神器は想いの力で動き出すの。そして、その力も決定するわ。あなたが悪魔でも、想いの力は消えない。その力が強ければ強いほど、神器は応えるわ」
それだけ言い残すと部長は朱乃さんと共に魔方陣からどこかへ転移してしまった。
部室に残されたのは俺と木場と小猫ちゃんのみ。
俺は息を大きく吐いたあと、意を決してその場から去ろうとする。
「兵藤君」
木場が呼び止める。
「行くのかい?」
「ああ、アーシアが俺の友達が助けを待ってるんだ。絶対に行かないといけない」
「………殺されるよ?いくら神器を持っていても、プロモーションを使っても、エクソシストの集団と堕天使を一人で相手にはできない」
木場の意見は正論だ。
でも!
「それでも行く。たとえ死んでもアーシアだけは逃がす」
「いい覚悟、と言いたいところだけど、やっぱり無謀だ」
「だったら、どうすりゃいいってんだ!」
怒鳴る俺に木場はハッキリと言ってくる。
「僕も行く」
「………私も行きます」
「なっ!?木場、小猫ちゃん?」
「…………二人だけでは不安です」
「感動した!俺は猛烈に感動しているよ、小猫ちゃん!」
「あ、あれ?ぼ、僕も一
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