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転生とらぶる
Fate/stay night
1182話
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は出来るだろうし。聖杯戦争真っ只中の今の状況で手を出されるよりは、対処もしやすくなる」

 へぇ。衛宮の言葉はちょっと意外だった。
 てっきり衛宮の事だから、杓子定規にすぐに連絡をした方がいいとか言うのかと思ってたんだが。
 何だかんだで、成長してるのかね。

「うーん……分かった。シロウの言う通りにするね。でも、じゃあこの人達はどうするの?」

 自分で起き上がれないくらいに弱っている者達の方へと視線を向け、そう告げてくるイリヤ。
 そうなんだよな、折角助けたんだし……ああ、そうか。ならこの手が使えるな。まぁ、言峰が言ってなければだけど。ただ、衛宮の様子を見る限りでは話は聞いてないと思われる。
 なら、さり気なく……

「凜、10年前の大火災の生き残りが引き取られた場所ってのはここ以外にないのか? もしあるなら、そっちで……」
「待て」

 俺が最後まで言葉を発する前に、衛宮がそう告げてくる。
 俺の方へと向けられている視線は鋭く、どちらかと言えば衛宮じゃなくてアーチャーの方のエミヤの方を連想させる。
 よし、俺の予想通り言峰からは聞いてなかったか。
 内心でそんな風に思いながらも、何で話し掛けられたのか分からないといった風な表情で口を開く。

「どうしたんだ?」
「何でそこで10年前の大火災が出てくるんだ?」
「何でって言われてもな。そこで倒れている奴らが、その大火災の生き残りだからだが?」
「っ!? それは本当か!?」
「俺が戦った金ぴかが自慢そうに言ってたぞ。魔力を大火災の生き残りから搾り取ってるって」

 その一言が表した効果は絶大だった。
 衛宮の視線がセラや桜、ライダーといった者達に看病されている連中へと向けられる。

「そんな……それじゃあ……」

 衛宮なら、こうなるだろうな。
 ある種、自分の生き別れの兄弟姉妹的な者達と言ってもいいのだから。

「で、凜。他の生き残りの……」
「待て」

 再び挟まれる衛宮の声。
 ただし、今度の声はさっきとは違って決意に溢れているものだった。

「この人達の面倒は俺が見る。……いや、俺だけだとどうにも出来ないから、藤村の爺さんに連絡して収容出来る場所を用意して貰う。構わないな?」

 ここもまた、普段とは違う。
 いつもなら、構わないか? と聞いてくるのだが、今の構わないな? というのは、既に決めた事に対して事後承諾を求めてくる言葉。

「どこに運ぶかは迷ってたから、俺は構わないけど。……凜?」
「そうね。後で魔術協会か聖堂教会の方から人か連絡が行くと思うけど、その時は話を合わせてくれる?」

 何かを考えるように尋ねる凜の言葉に、衛宮は頷きを返す。

「分かった。じゃあすぐに藤村の家に連絡を入れ……悪い
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