IF 二話:無意識
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防衛プログラムとの切り離しに成功したはやての姿に歓声を上げるなのは達。
そして、喜びを分かち合う為に傍に飛んでいく。
泣きながら自身に抱き着くヴィータを優しく撫でながらはやてはジッと闇の書の闇を見つめる切嗣を見る。
「……おとん」
「…………」
切嗣ははやての声に反応することなく思考する。
ドス黒い魔力のベールで包まれているせいで姿は見えないがその巨大さから大きさは推し量ることはできる。
並大抵の攻撃では通らないであろうが過去の例も見るにアルカンシェルならば問題はない。
今のうちに放てば反撃されることもなく消滅させることが可能だ。
「取り込み中すまない。時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。夜天の書の主とその騎士達に聞きたい。あれをどうにかする方法は何かないか?」
額から血を流しながら折れたS2Uで闇の書の闇を指すクロノ。
その姿に思わず怯んでしまいそうになるはやてだったがすぐに気を取り直してシャマルに声をかける。
「その前にちょっといいですか。シャマル」
「はい。あ、なのはちゃんとテスタロッサちゃんもこっちに来て」
何事かと顔を見合わせる三人に微笑みながらシャマルはクラールヴィントに囁きかける。
すると優しき癒しの風が三人を包み込むように吹き込む。
その風が通り過ぎた後にはなのは達の傷は綺麗さっぱり無くなっていた。
「静かなる癒し。泉の騎士シャマル、補助と回復が本領です」
「わざわざ、すまないな」
シャマルに礼を言いながらもクロノの頭脳は如何にして闇の書の闇を封じるかを考えていた。
ここにいる全員で仮に挑んだとして、滅ぼせるかと言われたら不可能だ。
最悪、返り討ちに合う可能性すらある。
そうなってくると、彼に残された手は―――
「アルカンシェルを使え」
「衛宮切嗣…!」
今まさに口にしようとしていたことを先に切嗣に言われて驚くクロノ。
確かに残された手段はアルカンシェルで闇の書の闇を蒸発させるしかないのだ。
だが、そこにはおいそれと決断するわけにはいかない事情がある。
「しかし、こんなところでアルカンシェルを使えばどうなるかぐらい分かるだろう」
「そうだよ! アルカンシェルなんて撃たせたらはやての家まで消し飛んじまう!」
クロノとヴィータの言うように周辺への被害が大きすぎる。
この街だけの被害で済めばいい方で、最悪の場合は被害が津波などで増加していく可能性もある。
だというのに、衛宮切嗣は表情一つ変えることなく言い切った。
「それがどうした」
思わず一同は耳を疑ってしまう。
この男は何万人もの人が死ぬことをどうしたのだと言ったのだ。
ヴィータがそのことに食って掛かるが切
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