IF 二話:無意識
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嬉しいような悲しいような気分になる。
【みんな、暴走開始まで後二分!】
エイミィからの連絡により改めて全員が目を黒いドームに向ける。
全ての元凶であり被害者。望まぬ改造を受けた防衛プログラム。
それをはやては何とも言えない悲しみの籠った瞳で見つめ、目を擦る。
こうなった以上は望まぬ宿命から解放してやることだけが主である自分の役目。
「……もう、誰にも悪さなんかさせんから眠ってな―――闇の書の闇」
黒いドームが消え、異形が姿を現す。
虫のように生えた六本の足。しかしながら、その佇まいは四足動物のようで。
背中には巨大な棘と漆黒の翼がある。その構造は生物としては明らかに異常。
キメラのような巨体は闇の書が今までに蒐集してきた生物の寄せ集め。
しかし、人間を蒐集した影響か、かつての名残か、その頭部の頂上にはリインフォースの面影を少しばかり残した女性がついている。
「行くぞ、全ての悲しみを終わらせに!」
『おおッ!』
クロノの掛け声とともに全員が動き出す。
その様子を切嗣はどうせ失敗するだろうという悲観的な態度で見つめていた。
できれば今すぐでも無駄なことをやめさせて確実なうちにアルカンシェルを撃たせたいところだが動けない以上はどうしようもない。
そこへアリアが声をかけてくる。
「不満って顔しているわね」
「当然だ。1%でも世界が滅ぶ可能性があるのならやるべきじゃない。彼らは子供だからそれが分からない」
歯ぎしりをしながら切嗣はザフィーラが触手を一掃する姿を見つめる。
少しでも世界が滅びる可能性があることをやるなど愚かにも程がある。
奇跡など起こりはしないのだからやるだけ無駄だ。
「でも、あの子達の顔を見ていたら……少しだけ信じたくならない?」
「……夢想だ。夢物語を信じられる程、もう子供じゃない」
なのはとヴィータが闇の書の闇のバリアを破る中、アリアが優しい声色で尋ねる。
しかしながら、切嗣は顔を背けて目を逸らすばかりである。
その仕草にどちらが子供だろうかと思わず思ってしまうアリアだったが口には出さない。
「まあ、私が言うのもなんだけど、誰もが助かる道があるならそれにこしたことはないでしょ」
「いいや、違う。そんな道はない。あっていいはずがない! 平和のためには誰かが犠牲にならなければならない!」
吠えるように助かる道の存在そのものを否定する切嗣。
その余りにも意固地なった態度に思わず目を見開くアリア。
同時にシグナムとフェイトにより最後のバリアが破られて消える。
「切嗣、あなた……」
「だって、そうだろう! もしそんな道があるのなら彼らは何のために死んだんだ!?」
今にも
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