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スーパー架神大戦ダンゲロス
開戦前日;side 転校生
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しているのは物凄くありがたかった。何て親切な依頼人なのだろう、と両性院は三人の依頼主に対して好印象を抱いていた。
 無論だからと言って油断は出来ない。番長である大銀河超一郎の能力は不明(情報はアホみたいに集まるがどんな能力か全く想像すらつかないらしい)だし、副番の夜魔口悪夢の能力についてはいくら調べても情報が全く入ってこない。調べようとした者は絶対に帰ってこないという。
(―――だが、能力以外についても書かれているのは本当に助かる)
 夜魔口悪夢は能力こそ不明だが、ヤクザ出身であることや身体能力が並みの魔人を遥かに凌駕すること、特技や趣味などの個人情報(TRPG版ダンゲロスで言うところのFS)、大銀河超一郎に相当入れ込んでいることなどは判明している。
 場合によっては敵対するかもしれない生徒会の魔人の情報は何一つ書いていないが、こればかりは仕方ないだろう。生徒会だって転校生と戦うような展開は避けたいはずだし、両性院だって生徒会と番長グループに二面打ちされるような展開は御免だ。
「それでは、生徒会の人たちと会ってもらいます。資料に書いてあった契約内容の通り、両性院さんには生徒会と連携を取って戦ってもらわなければなりませんので」
 無論能力も明かしてもらいます、と鈴木は続けた。どのみち転校生である両性院は嘘がつけないので素直に頷く。
 さて、このようにして生徒会は二枚の切り札のうち一つを引くことに成功した。だが、生徒会の面々は果たして相手も同じ切り札を使ってくる可能性をどれほど考えているのだろうか?





「ファーーーーーーーック!!!」
 そう聞こえたのもつかの間。
 電話の置いてあったデスクは粉々に粉砕された。
 埃が舞う中、夜魔口悪夢は何が起こったのかわからずに混乱していた。
 直前に起こった破壊活動は自身が呼び出した転校生の仕業に違いない。耳に残る品のないセリフも転校生のものだったに違いない(まさか人質の女子生徒がいきなりそんなことを言うわけないだろう)。
(そう言えば電話口で担当者が気をつけてください、なんて言っていたのを聞いたような―――)
 夜魔口が数分前の記憶を辿っているうちに、舞っていた埃は落ち、視界がクリアになる。
 どんな転校生が来やがったんだと不安になりながら目を凝らす夜魔口が見たのは―――。



「オエエエエエエエエエエエエエエエエエ!! クソッタレー!」



 大量のゲロを吐きながら暴言を吐き散らし、ゲロに何回浸されたかわからない衣装を身に纏い、やたら血生臭い持ち主が本来の使い方をわかっているのか不安になるベースの横で四つん這いになっている、パンクロッカーがいた。
 人質の女子生徒はそれを見て失神し、夜魔口は頭を抱えて思う。
 冗談と言ってくれ、と。
 とりあえず
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