2部分:第二章
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れるのだった。
「そんなことされたら洒落にならないからな」
「頼むぞ」
「わかってるって。しかし」
それでも我慢できない。それでも何とか堪えながら型が終わるのを待っていた。そうしてやっとといった感じで終わる。終わって彼が最初にしたことは。
「ちょっと行って来る」
「何処に行くんだ?」
「柔道部の部室だよ」
彼が行くのはそこであった。
「そこでな。ちょっと」
「投げるのか?」
「ああ、練習台でな」
せめてそれで仕掛けて投げずにはいられなかったのだ。そうしないと欲求不満で爆発しそうだったのだ。これが彼の性分であった。
「投げなくってくる」
「合気道は性に合わないか」
「どうにもな」
首を捻って部員達に答える。
「やっぱり俺は投げまくる方がな」
「そうか。何か悪かったな」
「ああ、いいよ」
申し訳なさそうにする彼等に対して彼もバツの悪い顔になる。
「それはな。気にするなよ」
「そうか」
そんな話をするがそれでもバツが悪いのは変わらない。どうにも最後まで今一つ乗れず消化不良な感じが残ってしまうのであった。
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