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SAO−銀ノ月−
第九十二話
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なさげに答えた。とはいえ、その別にポイントを得る手段、ということまでは分からない訳だけれど。

『プレイヤーの皆さんに連絡します――』

「え?」

「ん?」

 そんなシリカたちの間に、運営からのメッセージが海の家から流れだし、拡声器から流れる音声に耳を澄ます。

『そろそろ終了時刻のため――ポイント三倍――』

「ポイント三倍!?」

「な、何とかしないと……ってあれ、ルクスさん?」

 要するに。クイズ番組の最後のチャンスタイムのように、これから得ることの出来るポイントが三倍になるのだという。それはつまり、もうすぐこの水着コンテストが終わる、ということでもあり。シリカは慌ててどうにかしようと思ったが、先程からルクスが近くにいないことに気づく。

「ルクスさーん?」

「その……シリカ」

 呼びかけに答えたルクスの声が後ろから聞こえ、シリカは反射的にそちらへと振り向いた。するとそこには、ルクスの姿だけではなく。

「どど、どうすれば、いいかな……」

 困ったように慌てるルクスの他に、今にも泣きだしそうな少女の姿がそこにいた。少女を落ちつかせようと肩を抱いているものの、対応に苦慮しているらしいルクスの眼前――つまり、身長の関係で少女の頭上には、クエストを開始する証たるマークが燦然と輝いていた。

「おねぇちゃんがいないの……」

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