Fate/stay night
1181話
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るとただの置物にしか過ぎないな。
これが、例えばちゃんとした剣なら話は別だった。
宝具として使えないとしても、普通に武器としては使えるのだから。
だが、このエアの場合は刃とかが存在しない歪な剣であり、無理やり使うとすれば……棍棒代わりか?
宝具の頂点を棍棒ってのは、色々な意味で情けなくなってくるな。
「あー……くそ。物凄く損した気分だ。いや、実際気分とかじゃなくて損したってのに変わりはないのか」
溜息を吐き、周囲を見回す。
2月の寒空ですごく冷えてはいるが、それでもこうして見る限りでは雪が降っている様子はない。
少し離れた場所に見えるアインツベルンの城を眺めていると、やがて苛立っていた気分も落ち着いてくる。
そうなんだよな、よく考えてみれば決して損だけって訳じゃない。
実際、金ぴかは俺以外だとセイバーが自分の消滅を覚悟してしかどうにか出来なかったんだから、その辺を思えば決して悪い結果じゃないだろう。
それに、サーヴァントの魂3つ分の金ぴかを小聖杯に入れる事なく消滅させたんだから、イリヤや桜にとっては寧ろ幸運だと言える筈だ。
……まぁ、桜はともかくイリヤは俺に対して決して礼を言っては来ないと思うけど。
「そうだな、帰るか」
呟き、ふと凛達の方でどうなっているのかが気になって念話を送る。
『凛、綾子、こっちは片付いたが、そっちはどうだ?』
『……え? アクセル? もう片付いたの? さっき、何だか物凄い魔力を感じたんだけど……思ったよりも時間が掛からなかったみたいね』
『ああ、あの金ぴかは消滅したよ。魔力に関してはまた後でな。それでそっちは?』
『アクセルの予想通りよ。綺礼が攻めて来たわ。……ただ、ライダーとセイバーがいたし、イリヤとかそのメイド、それに私や綾子もいたから撃退に成功したけど』
は? 本当に攻めて来たのか?
いや、確かに凛にはその可能性を臭わせていたが、この状況で本当に襲ってくるとは思わなかった。
実際、戦力的に考えても向こうに勝ち目はないのは、言峰程の実力の持ち主なら普通に分かっている筈だと思うんだが。
色々と性格に難はあれど、言峰が腕利きだというのは変わらない事実なのだから。
『何だってそんな馬鹿な真似をしたんだ?』
『さぁ? 私に聞かれても知らないわ。ただ、予想するとすれば……あのサーヴァント、アーチャーだったっけ? そのアーチャーがアクセルに勝って援軍に来ると思ってたとか?』
『性格的に、そんな殊勝な奴じゃなかったぞ? 散々人を雑種呼ばわりしてたし』
雑種雑種言ってるが、寧ろ金ぴか自身が神と人間のハーフ……雑種だよな。
……ただ、正直俺に対して雑種というのは微妙に分からないでもない。
俺はリョウメンスクナノカミと悪魔、
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