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歌集「春雪花」
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 足跡の

  残りし初雪

    ふり返り

 見なば独りの

     侘し冬なり



 振り返れば…点々と続く自分の足跡…。
 なんとも弱々しく、寂しく感じてしまう…。

 それを見た時、この冬も一人…ただ物淋しく過ごすのかと思うと、居た堪れない気持ちになってしまう…。

 彼は…他の誰かと楽しく過ごすのだろうか…?
 彼は…愛しい人を傍で感じているのだろうか…?

 そう考えれば考えるほど淋しさが募り…想いの置き場を見失うのだ…。



 会えもせず

  声もなきにし

   君の身を

 案じは悩む

     暮古月かな



 会えもせず、声すら聞けない…そんな彼のことをあれこれと心配してしまう…。

 仕事はうまくいっているのか…人間関係は大丈夫なのか…風邪なぞ引いてはいないか…

 私に何が出来るわけでなし…考えるだけで無意味だと解っている…。

 だが…想ってしまうのだ…。
 所詮、私は彼にとって不必要な存在…。それどころか…彼の人生には邪魔なだけではないか…。

 そう思って眺める雪…寂しさと哀しみが交差する季節が来た…。




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