第107話 役者が出そろって行くようです
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「いいえ、寧ろあなた達が主役なのよ?理解してもらわないと。」
「そうだぜ嬢ちゃん達。なんせ奴等と直でやり合ってんだからな。」
「私がやりあったのはそこの総督さんだけですけどね。」
「おやおや耳が痛い……。誰かさんの真似をするのはやめないといけないですね。」
そこへ最早セットとなったセラス総長とリカード議員が合流。
主役と言いつつ夕映さん同伴でない事が気になったのでこっそり聞くと・・・。
「ごめんなさい、今ここに連れて来たら、賞金首を匿ったとかまた難癖付けられかねないから。」
「あ、そ、そうですよね。こっちこそごめんなさい。」
思い返せば安易だった自分の質問に赤面しつつ、ヘラスさんに謝罪して下がる。
あと残ったのはヘラス帝国の代表と、旧オスティアの実力者なんだけど・・・。
「なんじゃなんじゃ、思ったより人数が多いではないか。アルビレオとゼクトの呼びかけ
じゃったから来たのに、子供の寄り合いに呼ばれたのかの?」
「じ、自分だって子供みたいな見た目のくせに……。」
「聞こえておるぞ、カグラザカとやら。そのような口を聞くのは妾の前だけにせよ。」
「な、なんですt「―――騒がしい。」っ!?」
噂をすれば影とテオドラさんが登場し、皇女と言う事を考慮しない明日菜さんが
混ぜっ返そうとするけれど、その後ろから低い声が響く。
同時に大人組みが礼を取るので、僕達も慌てて礼をすると、金属質の足音が入口付近で止まる。
「礼など良い。我々は今対等な、この世界の脅威に立ち向かう同士だ。」
「ハ、ありがとうございますヘラス陛下。」
「へいっ………!?」
クルト提督が呼んだ名前に思わず、撃たれたように顔を上げてしまう。
ヘラス帝国皇帝。年齢的には初老なんだろうけど、竜人種特有の遅い成長の為に40代程の
外見に、苛烈さを感じさせる鋭い瞳。頭から生えるのは今まで見た中で最も大きく立派な角。
浅黒い肌を真紅の鎧で包み純白のマントを靡かせ、腰には幅の広い豪奢な鞘に収められた剣を
下げている。本当に話し合いに来たのかと思われる格好だけれど、一国を預かる主としては
当然の準備なんだろう。寧ろスーツ姿の人達が無用心なのか・・・?
「……して、これで全員なのだろうか?」
「いいやヘラス公。俺達で最後だ。」
「えっ!?」
入口に向いていた視線が全て用意されていた円卓の上座・・・一番奥に向く。
今まで誰も座っておらず、皆の視線が唯一の入口に集中しているのに、誰にも気づかれず、
それも派手な見た目の三人が悠然と座っていた。
「お初にお目にかかる、魔法世界救世軍の諸君。第一
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