第三十八話 野村中佐!とどろけ一番!!その十七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「俺達の答案な」
「ちゃんと名前も書いてるぜ」
「マークシートもちゃんと順番守ってるからな」
「万全だぜ」
「けれど相手の答案はない」
「燃えて凍えてな」
そして散り散りになったというのだ。
「よかったぜ、これでな」
「何の問題もないぜ」
「いやあ、これで心おきなく佐藤江梨子さんの写真集とDVD観るか」
「今回も芸術鑑賞だ」
「家に帰って楽しむか」
「賑やかにな」
こうはしゃぎながら言う、そして。
二人でだ、勝負が行われた講堂から大学の中庭に出て来てだった。そのうえで勝ち誇ってそこにいた観衆達に言った。
「俺達が最初に出て来たからわかるな」
「これでな」
二人は勝ち誇った顔で言い続ける。
「俺達が勝ったんだよ」
「いつも通り圧勝だぜ」
「どうだ、悔しいだろ」
「悔しくて仕方ないだろ」
マスクの目を嘲笑させたものにさせつつの言葉だ、
「その悔しがる姿最高だな」
「勝ったって実感あるぜ」
「まあ勝負中ガッツポーズするなって書いてないからな」
「その時に火とか氷が起こってもな」
「それに巻き込まれて相手の答案が散り散りになっても仕方なし」
「ルールに書いてないからな」
あれをしては駄目、これをしても駄目と書かれている中に書かれてはいない、利用規約に書かれていないイコールしていいということではないがだ。
「だからセーフだぜ」
「不慮の事故だから仕方ないな」
「相手の答案は消えてこっちの答案は残った」
「じゃあ問題なし」
「勝ったのは俺達だ」
「今回も俺達の勝利だぜ」
それに終わったこともだ、二人は実際に歯噛みして歯軋りさえしている観衆にふざけたポーズをも見せつつ話す。
「それが悔しくて仕方ないだろ」
「その悔しい顔を見るのも楽しみになってるぜ」
「勝ったっていう実感あるからな」
「いやあ、今日の飯も美味いだろうな」
「正義が勝って万々歳」
「勧善懲悪は最高だぜ」
確かにストーリーにおいて永遠の王道である。
「正義が勝って全世界にここまで悔しがられるっていうのもないがな」
「そんなのこの作品だけだけれどな」
「しかし正義は勝った!」
「俺達が勝ったんだ!」
「ボーナスも写真集、DVDもゲット!」
「連載も続くぜ!」
少なくとも三十九話は書かれる。
「こんないいことはないぜ」
「最高の展開だな」
「じゃあ喜びついでにな」
「いつものあれやろうぜ、兄貴」
尚武から尚智に言った。
「あのポーズな」
「よし、やるか」
尚智も弟の言葉に応えてだ、そのポーズに入った。
白波立つ海の真っ只中の中の岩場の上にそれぞれ腕を組んでポーズを決めた。後ろには鮮やかな旭日がある。
その旭日の光を浴びつつだった、二人は叫んだ。
「正義は勝つ!」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ