第30話
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かった事にしようとしていた張勲。
「で、でも全てをお話ししたではないですか!」
「そうだな、故に敵として扱わぬ――が、我が陣に組み込むには今までの所業が悪すぎる」
「うっ」
中立を保ち、敵対してこなかった張勲。それ故に一見袁紹に損害がないように感じるが、それは違う。
張勲は袁紹にとって、そして袁術にとって貴重な時間を削り、二人の仲を阻害してきた。
そして放置された反袁紹派は無駄に力をつけ、袁紹等の悩みの種となっている。
「まぁそう悲観するでない。お主のこれから次第で状況は変わる」
「私のこれから……」
「例えばそうさな……己に課せられた役割を全うするとか」
「ッ!?」
本来の彼女の役割、それは袁術の教育と反袁紹派の『懐柔』もしくは『粛清』
それを成せば今までの所業を水に流し、主袁術と共に陣に迎える。袁紹は暗にそれを伝えた。
「わかりました……必ずや、ご期待に答えて見せます!」
「って言ってたけどさ、本当にいいのか〜麗覇様〜」
「私も心配です、張勲さんの今までの行いからしても……」
「無問題」
張勲と別れた後。袁紹の決定に不安を見せる二人、そんな家臣を安心させようと袁紹は答える。
「美羽に対する張勲の熱意は目を見張るものがある。それに、あの想いには偽りはない。
その熱意が今度は反袁紹派の者達に向くのだ、彼女はやり遂げるだろう」
「あのネエちゃんが裏切る可能性は?」
「……我と反袁紹派、どちらを敵に回したい?」
「……あ〜」
「そういうことだ」
それに――と続け、袁紹は歩みを止め、張勲から貰ったそれを広げる。
「同好の士に敵はいない!!」
ソレは背中にでかでかと『美羽命』と書かれた法被だった。
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