6.『鏡』
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紅魔館に来て、早数週間が経った。
「……あの」
門番、紅美鈴は眠っていた。
立ちながら。
ナイフがいくつも刺さっており、最初は東をいろんな意味で驚かせていたが、もう慣れたのか人参のようにナイフを引っこ抜いてため息をつく。
「えぇと……プラズマ魔法はこうやって」
「あぶぶぶぶぶぶぶぶ」
軽く手を振ると、美鈴はマッサージチェアに座って体をほぐしている中年のような声を出した。
東は魔導書を読んでいるうちに、自然と魔法を身に着けていた。ただし実戦に使うには少し無理があるものばかりだが。
ビリビリ振動しながら、美鈴は目を開いた。
「あら……東くんじゃないですか。おはようございます」
「おはようじゃないよ……もう3時だよ」
「グッドアフターヌーンですね」
「なんで英語なの」
「?好」
「中国語っ!?」
?好は朝昼晩いつでもつかえる挨拶らしい。どうでもいいが。
「それで、どうしたのですか?」
「どうしたもこうしたもないよ。咲夜さんが、館の中を手伝えって言ってたから」
「了解でーす」
「……」
美鈴なら手伝いながら寝そうだったので、少し恐ろしく感じた。
余談だが、その後美鈴は寝ながら館の拭き掃除をしたそうな。人間じゃないな。はい正解。
数週間が経ったことで、情報もかなり集まってきた。
紅魔館にいるだけで、新聞屋の天狗という絶好の情報屋がやってくるのだ。子供の好奇心を装っていくつも質問をしたため、幸いにも館から出ずに情報を入手することに成功した。
ただ、天狗の新聞の内容はかなりお粗末で、ガセネタばかりらしいのであまり参考にはしていない。
最愛の妹、絵文と再会する日がもうそこまで来ているのだと、東は確信していた。
いつも通り、情報を送信してレミリアの寝室に向かおうとした時のことである。
「はぁい」
「ぴゃああ!?」
扉に謎の女が生えていたのだ。
「うんうん、新鮮な反応ね。久々に気分が良いわ」
東は尻もちをついて、腰を抜かしたのか動けなくなっていた。
一方、謎の女は不敵な笑みをして……。
“境界”を呼び出した。
うーっと目を吊り上げてレミリアがズカズカ東の扉を無造作に開いた。
「こらぁ!夜更かしなんてしないで、さっさと私のところ、に……。……?」
東はそこにはいなかった。
暖炉の中や机の下などを見ても、だれもいない。
「トイレかしら……。……!」
吸血鬼の鋭い第六感が、全てを理解した。
「この妖気の跡……あのスキマ妖怪か!」
一瞬頭に血が上ったが、すぐに落ち着かせる。
そして、レミリアは本来の目的を思い出した。
「……。元々、あの子は外来人だ。私はあの子の正体を暴いてどうするか決めようと……そうだ、あの子の正体が結局なんなの
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