第6章 流されて異界
第131話 太極より……
[10/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
世界に到達する前にも通ったはずの場所。あそこは元々、何処かの世界で究極へと辿り着いた仙人であったと言う事。世界に存在するありとあらゆるモノ……意識がある物も、ない物も関係なく……そのすべてと融合。集合的無意識と言う物へと変化、以後は他の存在に対して直接干渉出来なく成り、ただ自らが創り出した世界を維持する為だけの存在となる。
自ら=世界を守る為に因果律を操る場合を除き。
このレベルに至る存在を表現する言葉は……おそらく『悟り』と言う言葉になる。そう言う状態。
もしかするとグノーシス派の唱えるソフィアと言う存在も、ソレに近いのかも知れませんが……。
まぁ、何にしても俺が思うにこれ以上の目的はないと思うのですが、其処はそれ。人がふたり集まれば二人分の意見が出て来る。そして、それぞれの考えを俺たちは否定しない。
それに、それなりの……。もっとも、俺の目から見ると駆け出しの魔術結社が目標と掲げている究極の叡智、とか呼ばれている物が本当に欲しいのならヨグ=ソトースを呼び出して、それに触れるだけで得られるはずです。
もっとも、その後に正気を保って居られるのならば、なのですが。
もしくは、見てはならない世界の未来を視て仕舞い、その究極の叡智を得た存在毎、世界自体が滅ばなければ……。
まして、ハルヒが世界を作るのが、今回が初めてとは限らない。彼女に与えられている神性がシュブ=ニグラウスなら、それは破壊神にして大地母神。転生を繰り返す度に同じような事を行って居る可能性は……高いと思う。
世界と言うのは世界中の想像力……歴史上で想像力を持つ存在が生きた総数以上の数。それこそ無限に近い数だけ存在しているはず。その中には、ハルヒにより創造され、ハルヒにより終末を迎えた世界があったとしても何も不思議ではない。
すべての会話が終わり……。衝撃の事実にハルヒからの反応はない。
差し出された右手は空を掴み、言葉は空しく虚空を彷徨う。
何と言うか……世界のすべてがこの温泉旅館の和室の中に再現され、その凝縮された圧迫を直に感じているかのような雰囲気、と言えば伝わりますか。そう言う、非常に重苦しい雰囲気。
まぁ、これは想定していた結果でもあるのですが。少なくとも、この場で俺が差し出した手を簡単に掴めるような人間ではないでしょう、涼宮ハルヒと言う人間は。いや、むしろ、この場でハルヒが俺の手を取られた時の方が厄介でしたから。
それに……。
それに、このタイミングですべてを話しても良かったのか、それとも早過ぎたのか。今の俺には分かりません。でも、何時かは話さなければならなくなったのも事実。
……俺がこの世界に帰って来てから、俺の周りに起こりつつある事件が、無意識の内にハルヒが招き寄せている事件ならば、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ