ドリーマー×リンちゃん
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「なんというか、こう背中を合わせると身長差が分かりやすいねぇ?」
「ドリーちゃんが高いんだよ!私は子供じゃないから縮めとか削れろとかは言わないよ?」
そう言う割には、メスフラスコを持っている手に力が籠ったように見える。大方中の液体は強酸だろう、被って溶かされるのはごめんだ。
「医者のくせに薬品使って人を傷つけるのかい?マッドだねー…。」
「世の子供たちに幸せな夢を提供している人に言われたくないね!私は」
「『慈悲深ぁ〜〜〜いお医者様』だろう?ならその大海のごとく広き心で休戦協定を……」
「破棄しまーす!」
「だよねぇー!知ってた!」
場にそぐわない笑い声が響く。別に殺し合う訳ではないが、それでもこれから始まるのは『戦い』だ。
「……さて、早くやろっか?さっさと終わらせて家に帰ってお菓子食べたいし。」
「小さな魔法使い君の手作りならボクも食べたいなぁ!きっと弟氏のお菓子は司書様に食べ尽くされているだろうから。」
「んー…、そうだなぁ。」
ふっと後ろから微かな殺気を感じた。反射的に横に走ると、さっきまで立っていた場所には薬品の水たまりができていた。
「ドリーちゃんが勝ったらいいよ?」
にやっと彼女が微笑む。全く、それが狂気じみてるって言いたいんだボクは。
「……あまり舐めてもらっちゃ困るねぇ…。まあいいだろう。」
傷をつけるつもりはない。血を見たいと思う気持ちもない。左手には既に絵の具が乗ったパレットナイフを、右手にはペインティングナイフを持ってボクは微笑み返した。
「リアリストのキミに、特別に夢を見せてあげよう。普段は子供しか楽しめない、素晴らしい世界を。」
知識と科学しか信用のできない人間なんて、ボクにとっては絶好のキャンバス。
せめて今だけでも、塗り替えてやる。
さあ、
「ショー・マスト・ゴー・オン!!楽しい世界の幕開けだ!!!」
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