暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
Fate/stay night
1180話
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くない。
 時空断層と重力崩壊がぶつかりあった場所を包み込んだ念動力と魔力による結界が完全にその破壊力を遮断したのだ。
 それが何を意味しているのか……それは乖離剣エアの真名解放を、出力を絞ったラグナロクが完全に抑え込んだという事だ。

『何だと!?』

 信じられないといった金ぴかの声が聞こえてくる。
 それも当然だろう。金ぴかの最強の宝具である乖離剣エアが俺には通用しなかった。それどころか、完封されたのだから。
 金ぴかにしてみれば、とてもではないが信じられない出来事だったのだろう。
 そして、これこそが俺が待ち望んでいた瞬間でもあった。

「ファントムッ!」

 その声に従い、バインダーからファントムが1基飛んでいく。
 ビームソードを展開したファントムは、T-LINKシステムにより俺の意思の通りに動き……斬っ、と。金ぴかの右腕を肩から切断する。
 そして切断された右腕は、その手に握った乖離剣エアと共に空中を回転しながらこちらへとやって来て……

「ごちそうさん、と」

 ニーズヘッグのコックピットから飛び出た俺の手が金ぴかの右腕をキャッチして、その手が握っていた乖離剣エアを空間倉庫に収納、腕も取りあえず収納しておく。
 市長だ何だと散々馬鹿にした金ぴかだが、サーヴァント3人分の魂を持っているというのは伊達じゃない。
 その右腕はいずれ何らかの役には立つだろう。
 原作の桜ルートでは衛宮がエミヤの腕を付けてたりしたし。
 ホワイトスターに戻れるのであれば、レモンやエヴァ辺りが色々と使い、もし戻れなくてもこの世界で暮らして行く上で魔術師の凛としては垂涎物だろう。
 幸い空間倉庫に入れてしまえば、多分魔力となって消えたりはしないだろうし。……まぁ、消えても駄目で元々って感じだが。
 そのまま金ぴかの右肩を切断して戻ってきたファントムを収納したニーズヘッグを、コックピットではなく装甲に触れてのT-LINKシステムを介しての操作で動きを止めて空間倉庫に戻す。
 そうすると残ったのは、切断された右肩を押さえて地面に踞っている金ぴかのみ。
 傷口を押さえていた金ぴかだが、そこからは血が流れ落ちている。
 魔力を使って回復しようにも、教会の地下にいた子供達は既に救出して魔力を絞り出す事は出来ない。
 魔力を貰っても、それだけですぐに回復出来るって訳じゃないしな。
 つまり、すぐに回復するには俺と最初に戦った時のように、王の財宝の中にあるポーションのような物を使わなければならない。
 痛みを我慢出来るのなら別だろうが、金ぴかはそんな事をするくらいならさっさと治療するだろう。
 そんな俺の予想通り、金ぴかは左手で短剣……というか、鍵のような物に剣の柄がついた物を握り……なるほど、あれが王の財宝の鍵である鍵剣
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