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英雄は誰がために立つ
Life24 転生天使!転生麻婆!?後編 〜因縁対面!?切嗣と綺礼〜
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、藤村組現総組長補佐のアイリスフィール・藤村です。御2人とも、私たちは貴方達を歓迎いたしますわ」
 「総組長殿直々のご挨拶痛み入ります」
 「いえ、責務ですので・・・」
 「・・・・・・・・・・・・」

 何とも空気の悪さを醸し出す切嗣。
 そんな夫に流石にアイリは、夫婦間でしか伝わらないアイコンタクト――――ある種のテレパシーで注意する。

 (ちょっと切嗣!言峰神父に失礼でしょう!)
 (・・・・・・解ってるんだけど、如何しても好きに成りたくないと言う気持ちが湧き上がってくるんだ)

 対して教会は、正式な念話で意思疎通を取っていた。

 (言峰神父、切嗣さんと何かありました?)
 (それが私にも覚えがなくてね、困っている所なのだよ)
 (ん〜、取りあえず空気を変えましょう。例えば言峰神父がアイリさんを褒めるとか)
 (その提案を採用しよう)

 綺礼は一度せきをつく。
 その事に自分たちが失礼な態度を取ったと思い、藤村組側に軽い緊張が走った。
 だが彼らは言峰神父の言葉を待つしかなかった。

 「それにしても藤村殿の奥方は、とても美しい方ですな」
 『え?』

 自分たちの失礼な態度を追及されるのかと思いきや、予想だにしない言葉が綺礼の口から出たので、2人揃って驚いていた。

 「ん?如何かしましたか?」
 「い、いえ、褒めて下さるのは嬉しいのですが、何故そのような事を?」
 「いえ、単なる感想です。私にも最愛の妻がおりますが、矢張り女性と言うのは幾つになっても美しいのですなと改めて思った次第です」
 「あ、ありがとうございます」

 綺礼の言葉にアイリは軽くだが照れる。
 そんな2人のにこやかなやり取りとは裏腹に、切嗣は心の奥からまた何かが吹き上げて来た。

 (この神父、まさか僕からアイリを奪い去る気か!?何と言う外道なんだ。そしてまさかイリナちゃんもこの男の毒牙に・・・・・・!いや、そんな事は許さない、許されない!世界中の全ての美人は僕の嫁!!アイリやイリヤも勿論、イリナちゃんもゼノヴィアも、椿姫ちゃんも悉く僕の嫁だぁあああ!!士郎にだって、渡すものか!)

 などと嫉妬と共に、身勝手に憤慨していた。後なんかよく解らないテンションも加わって、色々残念になってきている。何時もの事だが。
 そんな切嗣は、大事な妻を守るために強い語尾で綺礼に宣言する。

 「アイリが美しいのは至極当然の事です、何せ僕の嫁ですから!!」
 「もうヤダ〜、切嗣、ったら!!!」
 「ぶへっっ!!?」

 最愛の夫の言葉の嬉しさから、基本的には稼働していない筈の魔術回路から漏れ出した魔力が加味されたビンタをもろに受けた切嗣は、その威力が凄まじいく、口と鼻から血を吹き出して苦悶していた。

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