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リリカルな正義の味方
5話
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見ていた。

(…今まで様々な世界を回ってきたが、こんなに自然のある世界には来たことがなかったな…。それもそうか。俺が回っていたのは戦場ばかりで、観光、ましてや旅行なんて目的では無かったからな…。)

「エリオ、キャロ!」

「2人とも、紹介するね…ってどうしたの?エリオ、キャロ。白夜がどうかした?」

オレはその声で思考の海から現実に引き戻された。

「あなたは…」

「お兄さんは…」

「…あぁ。君たちはオレを知っているのか。それもそうだな。君達もあの時の戦いを見ていたな」

2人は無言でこちらを見ている。警戒しているのだろうか。それも当然のこと。自分たちと敵対し、尚且つ1人で戦うようなやつを警戒するなという方が無理な話。

「今のオレは君達と敵対するつもりは…」

「「あの時の正義の味方(ヒーロー)!!」

「…え?」

2人から事情を聞くと、オレは過去に2人を救っているらしい。内容を聞くまではわからなかったが、モンディアルは研究所をオレが破壊し、その際オレが連れて行き、生きるために必要なものを施し、去っていったらしい。そしてルシエは森でモンスターに囲まれていた所をオレに助けられたとか。オレの記憶には無いが、2人から礼を言われた。…記憶に無いな…。

ヴィヴィオ達は川で遊び、なのは達はトレーニングをしている頃。彼は1人山奥に行き、その両手に剣を投影して、鍛錬をしていた。その手に持つ剣は干将・莫耶。その2本の剣を使い、敵をイメージして鍛錬している。敵がいると仮定し、自らの心臓を狙って突かれる槍を躱し、その手の剣で斬り伏せる。繰り出される槍を最低限の動きで避け、見切り、カウンターで反撃する。いつも以上に集中していたせいか、かなりの時間が経っていたのだろう。少し休憩しようと、近くの木陰に座る。

「…気持ちのいい風だ…。少しだけ、眠ろう」




所変わってこちらは彼以外のメンバーが集まっている。理由は簡単。お昼ご飯のお時間だからだ。

「あれ?白夜君は?」

「え?見てませんよ?」

「もう…どこに行ったの白夜くん…。皆は先に食べてて。私は白夜くんを探してくるよ」

「なのは。私も…」

「大丈夫だよ、フェイトちゃん。探して、お昼ご飯だって伝えてくるだけだから」

そう言って彼女は空を飛び、上空から彼を探している。

「白夜くん、一体どこに…いた!」

彼女は降り立ってまっすぐ彼のところに行く。

「白夜くん、もうお昼ご飯だよ。皆集まってるから食べに…」

そこで彼女は気付く。彼が木陰で安らかな顔で寝ているのを。その顔に戦っていた時のような辛い表情は無い。気持ちよさそうに寝ている。

「もう、そんなところで寝てたら、風邪ひいちゃうよ?」


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