第二百三十四話 燃え落ちる寺その五
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「相手がな」
「これは凄いな」
「敵が雲霞の如くだ」
大蛇と拳も降りて来て言う。
「戦のしがいがあるよ」
「思う存分戦える」
「ここで思いきり戦って」
「好きなだけ暴れるでやんす」
「さあ、用意はいいよな」
鞠に煙、からくりも楽しそうだ。
「それで最後はね」
「思いきり花火を上げるでやんすよ」
「そっちの用意はもう出来たぜ」
「じゃあ慶次さん可児さん、私達も戦うよ」
萌も実に楽しそうだ、飛騨者の中で一番若い彼女も。
「思う存分ね」
「傾くか」
「うん、慶次さん達と一緒に」
「そうか、では共に天下一の傾きをしようぞ」
慶次は萌にも笑って言った。
「これよりな」
「さあ、城が爆発するまであと少し」
風も構えを取って楽しそうだ。
「それまで思いきり暴れてやろうね」
「さあ敵はどんどん来る」
実際にだ、周りからどんどん来ていた。弓矢も鉄砲も使ってきている。
「手を休める暇はないぞ」
「じ、実際もう戦ってる」
あや取りがだ、手に持っている爆弾を投げて。
敵兵達をhき飛ばしてだ、そのうえで言った。
「す、凄い戦いになる」
「それでも皆で戦おう」
獣は槍をかわしてだ、その槍を繰り出した敵兵をその爪で切り裂いた。
「最後の最後まで」
「確かに大変ですが」
命も力を放って敵兵をたおしている。
「出来ないことではありません」
「うむ、城が焼け落ちれば」
ヨハネスもだった、戦っている。十字の巨大な剣を両手に持ち縦横に戦いながらそのうえで仲間達に言う。
「後は」
「そこでまた傾きじゃ」
慶次の槍が唸った、それで数人一気に倒した。
「よいな」
「そういうことですな」
「そうじゃ、さあどんどん来い」
慶次は敵兵達にも告げた。
「この大不便者の首は欲しくないか」
「あれが前田慶次か」
「何という強さか」
敵はここで怯んだ、慶次が松風に乗り自分に迫る敵達に朱槍を振るうとだ。その都度首も腕も胴も乱れ飛ぶのを見て。
敵も怯んだ、そして口々に言っていた。
「何という強さじゃ」
「まさに鬼じゃ」
「鬼の様な強さじゃ」
「もう一人も強い」
「可児才蔵も」
「?これは」
ここでだ、可児がだった。
その者達の言葉に気付きあらためて彼等を見て共に戦う慶次に言った。
「おかしいぞ」
「うむ、明智殿の兵ならばな」
慶次も可児に応えて言う。
「我等のことは知っておる」
「同じ織田家としてな」
「当然の様にな、しかしじゃ」
「この者達の口調はな」
「知らぬものじゃ」
その彼等をというのだ。
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