一発ネタ
テイルズオブ転生者
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
勘違いしていたんだ。
ダオスとして生まれ、王子として敬われ、俺はすごい存在になったんだ――。そう俺は思ってたんだ。チート転生者だから何をやってもうまくいくって。
このままではデリス・カーラーンのみんなが死滅してしまう……。
どうすればいい、どうすればいいんだよぉ。
俺は、ゲームでかっこよかったダオスじゃない。
ダオスに転生しただけの平凡な高校生だったんだ。
俺、バカだから何すればいいのかわからないよ。
(以下、涙で濡れて読めない)
@月&日
ひらめいた!
俺はダオスじゃないけれど、ダオスになり切ることはできるんじゃないか?
史実のダオスは、いろいろと失敗したけれど、最後は大いなる実をデリス・カーラーンに持って帰れたじゃないか。
俺頭良くないからよくわかんないけれど、史実のダオスに沿って動けば、何とかなるかもしれない。
もし、俺が首尾よく世界を征服できたら、それでよし。
世界の支配者として、エコロジーな社会を作ればよいのだ。
仮に、正史通りクレスたちに倒されても、それはそれでよしとしよう――死ぬのは怖いけどな。
けれど、俺の帰りを待っている皆を救えればそれでいい。
よーし、さっそく魔族を招集して魔王軍つくるぞー。
L月?日
とうとうこの日が来た。
宿敵クレス・アルベインたちが、俺の最後の城にやってきたのだ。
色々とあくどいこともやったが、そのたび母なる故郷に残した大切な人たちのことを思い出しながら、歯を食いしばって生きてきた。
世界を支配し、エコロジーな社会を作ろうとする俺の野望は、ことごとく打ち破られてきた。
いろいろな出会いと別れがあった。モリスンしかり、クレスしかり。
中には、魔科学の危険性を知り、俺に協力しようとしてくれた人間もいた。
魔王軍? まあ、あいつらの目的は天界への進攻だからな。ギブ・アンド・テイクってやつだ。
俺に心酔して、仕えてくれた奴もいるけれどな。
俺は死ぬだろう。死力を尽くしてクレスたちに立ち向かおうとしたが、ことごとく粉砕された。
いっそ清々しいほどに、彼らは強かった。仲間とともに冒険を続ける彼らをみて、少しだけうらやましく思う。
結局、俺は一人だった。ウィノナは……彼女のことはあまり思い出したくない。
最期の戦いだ。手を抜く気はない。手加減できる相手ではないし、全力で戦わなければ、彼らに失礼だ。
俺が勝てば、世界を征服して大いなる実りを待ってから、持ち帰ればいい。
俺が負ければ、世界樹の精霊マーテルが、俺の遺体とともに、デリス・カーラーンに大いなる実を届けてくれる。
正直、勝てる気はしないけれどな。チート転生者も主人公には敵わなかったか。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ