戦国龍
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驚愕する中、シオンはドラゴンの頭を撫でた。
「コイツは戦国龍《雷電》っていってな、シューのテイムモンスターなんだ」
「せ、戦国龍ってもしかしてアレですか!?テイムモンスターの中でも最上級とまで言われた伝説の存在の!?」
シリカがやや興奮気味に言う中、シュタイナーは平然と答える。
「そうだけど?」
「そうだけどって、そんなアッサリ・・・」
淡々と答えるシュタイナーに対してシオンとエリーシャ以外は唖然としていた。
「まぁ、『魂を賭けろ』って言われたからね。簡単には死ねなくなったよ」
「それってどういう・・・?」
「そのまんまの意味だよ。雷電と契約することによって僕はコイツに全てを預けたんだ」
その言葉の意味に何人かは首を傾げた。その説明に付け加えるかのようにシオンが口を開いた。
「等価交換ってやつだよ」
「等価交換?」
「相手が力を与える代わりに自分もそれ相応の対価を支払う。勿論それは今回の契約も例外じゃない。伝説級のテイムモンスターと契約するにはいくつか条件があってな、個体差はあるが全てに共通するのは“龍に勝つこと”、そして・・・“己の魂を捧げること”」
「ハイリスクハイリターンの契約ってわけか・・・」
キリトの言葉にシュタイナーは静かに頷いた。
「その通り。僕に課せられたリスク、それは能力使用後の戦闘続行不可。そしてもし死んだ場合のデスペナルティは・・・自分の全てを失う」
「それって、つまり・・・」
「スキル、武器といったとにかく己の全てを失い、ステータスが0になる」
「な!?おいおいマジかよ!?」
「シュタイナーさんは、それでいいんですか?」
「いいって、何が?」
「そんなリスクを背負ってまで契約する意味って・・・」
リーファの問いに対してシュタイナーはこう答えた。
「・・・・・ない」
「は?」
「いやだから、ないよ。意味なんて」
予想の斜め上の解答にシオン以外の思考が一時停止した。そんな中、シオンは口を押さえて笑っていた。
「ブッ!ハハハハハッ!!」
「シ、シオン?」
シオンはとうとう耐えきれなくなり吹き出し、更に爆笑。その光景に思考が停止していたメンバーが我に帰る。
その中々奇妙な光景にエリーシャは困惑していた。
「ハハハ・・・いや悪い。どーにも可笑しくてよ」
「可笑しいって、何が?」
シオンは笑い過ぎより出た涙を拭いながら言った。
「コイツがそんなことを気にするわけねーってことだよ」
「そんなことって、ステータス全損よ?」
「だからだよ」
未だに理解できていないメンバーをよそにシオンは続ける。
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