戦国龍
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ヨツンヘイムへと下って行く階段。そこは下の方すら見えないほどの長さだった。
今そこをまさにシオン達は下の出口が未だ見えない階段を絶賛下降中だった。
「いったい何段あるのよ、これ?」
下りながらリズベットがそう呟くとアスナがそれに答えた。
「んー、アインクラッドの迷宮区タワーまるまる一個分くらいあったかな〜」
その言葉に数人がうへぇと言いそうな顔になると、キリトがこの階段について力説し始めた。
「あのなぁ、普通のルートで行って最速でも二時間のところをここを行けば五分だぞ?」
「俺たちが飛ばせば大したこと無い距離ではあるが、あの体験は二度としたくない・・・」
「あの体験って?」
リズベットがシオンに尋ねるとシオンとエリー、そして何故かシュタイナーまでもが青ざめた表情をした。その表情は明らかに何かを恐怖していた。
「ど、どうしたの?三人して?」
「な、何でもないさ。うん、何でもない・・・」
「そうだな、忘れよう。あんなこと・・・」
「ハ、ハハ、ハハハ・・・」
シュタイナーとシオンは平静を装いながらも顔からは尋常じゃない程の汗が出ており、エリーに至っては死んだ目で薄ら笑いしている始末。その光景にその場にいたものは皆思った。
一体何が起こったのだ、と───
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
その後、シノンの尻尾をキリトが握るなどの一悶着があったものの、無事に下りきったシオン達は目の前に広がる光景は辺り一面銀世界に満ちていた。その景色にシオンは思わず口笛を鳴らしてしまう。
「こいつはすげーな・・・」
アスナが全員に凍結耐性の支援魔法をかけると、リーファは指笛を鳴らした。すると数秒後、くおぉぉぉーんという啼き声が聞こえてきたかと思えば崖の底から白い大きな影が上昇してくるのが見えた。
「トンキーさーん!」
『あれが、トンキー・・・』
『クラゲ・・・いや、象?』
『邪神のわりには随分とユルいフォルムだな』
エリーシャ、シュタイナー、シオンはそれぞれ心の中の声を押しとどめトンキーに乗り込むキリトたちを眺めていた。
「そういえば、お前たちはどうするんだ?アテがあるとは言ってが」
「ああ。シュー、頼む」
「りょーかい」
シュタイナーはそう言ってウインドウから銀色の小さな笛を出すと、それを吹いた。
か細い笛の音が数秒鳴り響いたあと、そこに突然現れたのは一頭のドラゴンだった。
「ギャアアアッ!!」
「なッ!?」
「こいつァ!?」
「ド、ドラゴン!?」
目の前に現れたのは巨大なドラゴンに皆が
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