暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルな正義の味方
4話
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
戦うべきではないと思うがな」
 
 その次の瞬間、彼の姿が消える。彼はすでに彼女の背後をとり、莫邪を振っている。当然非殺傷設定である。だが彼女はそれを片手ではじく、さすがに彼も驚きを隠せない。彼女からひとまず距離を取る。

「…君の名前は?」

「カイザーアーツ正統、ハイディ・E・S・イングヴァルト。覇王を名乗らせていただいています。」

「そうじゃない。君が変身魔法を使っているなんてことはわかっている。その上で聞いているんだ。」

 彼女は少し驚いた後、彼を見てはっきりと伝える。

「アインハルト・ストラトスと言います。」

「そのストラトスに聞きたい。君は叶わぬと知ってなお、その願いを貫き続けることをどう思う?」

「え…。それは…」

「フ、少し意地悪な質問だったな。今のキミは、まさしくそうなのだから」

 彼女は何も言えない。彼は苦笑いしているだけだ。彼も何か自分と重ねることがあったのだろうか。

「そんな君に、手を抜くのは失礼なことだ。これからは、手加減はなしで行くぞ。」

 彼はその手に干将莫邪を持つ。
 
「準備はいいか。…ならば、行くぞ!!」

 彼は横から仕掛ける。干将を振り、莫邪で突き、彼女の拳を弾き、流れるようにその首元を狙って莫邪をふるう。当然、簡単に決めさせてくれるわけもなく、距離をとられてしまう。しかし、高速で移動しその背後をとる。慌てて彼女は振り返り、防御をとるが、その防御すら崩し、斬られる。

(なんて…実力…。こんな人がいるなんて)

「もう限界か?君の実力はその程度なのか?」

「そんなハズないでしょう!!」

 
 彼女は瞬時に距離を詰め、右の突きを放つ。それを最低限の動作でかわし、つづいて左からくる拳に合わせて剣を出す。すると彼女は干将をつかみ、破壊した。それに驚く暇もなく莫邪で彼女を狙う。しかし、そこで体が動かないことに気付く。

(バインドだと!?)

「覇王…断空拳」

 彼女は確実に捉えたと思った。しかしそれは、彼との間に突如現れた剣によって覆される。

(剣!?しかし、たかが一本で!)

 するとその剣が爆発した。

「なっ!そんなことが…」

「驚いているところ悪いが。よそ見は感心できんぞ。」

 彼は彼女を手刀で気絶させ、その手で抱きとめる。

「君もまた、難儀な存在だな。…そこで見ているやつさっさと出てこい。」

 陰から姿を現したのは先ほどからずっと見ていたノーヴェだ。
 
「いつから?」

「君がここに来た時からだよ。…この子を頼む。管理局員殿」

 彼はそういって彼女をノーヴェに預け、自分はその場を後にする。

「あ、ちょ!おい!」

 なにか彼女が止めようとしてい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ