第1章:平穏にさよなら
第20話「実力」
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何かが納得いかないらしい緋雪。
「....ねぇ、一つ聞きたいのだけれど。」
「なにかな?かやのひめさん。」
おもむろに僕らに口を開くかやのひめさん。
「あなた達、兄妹なのよね?」
「そうだけど....それがどうかした?」
「いえ、ちょっと...人間じゃない気配が貴女からするのよ。」
「っ....!?」
かやのひめさんの言葉に身を強張らせる緋雪。
「...どうやら本当に人間じゃないようね。」
「...確かに、緋雪は人間じゃなくなった。だけど、実の兄弟であり、家族だ。...それ以外に何か問題でも?」
「...いえ、何もないわ。」
少しばかり威圧するようにかやのひめさんにそう言うと拍子抜けな答えが返ってきた。
「ただ、どうして実の兄妹なのに貴女の方が人外の気配がするのか疑問に思ってね。」
「...そういえば、なんでだ?」
緋雪の特典で“フランドール・スカーレットの強さ”と言うのがあったから、吸血鬼としての力が使えるのは分かる。だけど、どうして吸血鬼になったのかは分からない。確か、誘拐の時にはもうなっていたみたいだけど...。
「...私にも、よくわからないよ。」
緋雪も分かっていないみたいだ。
「そう...変な事聞いちゃったわね。」
「ま、気にするだけ無駄かな。...っと、着いたな。」
メンテナンス室に着く。中に入ってみると緑のショートで眼鏡を掛けた女性がいた。多分、この人がマリエル・アテンザさんなのだろう。
「あれ?あなた達は....?」
「えっと、今回の事件で協力する事になった志導優輝です。」
「妹の緋雪です。」
「かやのひめよ。」
まだ僕達は知れ渡っている訳ではないからちゃんと挨拶しておく。
「あぁ!あなた達がクロノ執務官の言っていた。私は技術部のマリエル・アテンザです。クロノ執務官とエイミィ先輩の後輩でもあります。気軽にマリーって呼んでね。」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
「それで、どんな用事なの?」
カートリッジを作りに来た事を説明する。
「カートリッジかぁ...えっと...これだね。」
「あ、ありがとうございます。」
一ダース分、マリーさんから貰う。
「できれば、自分で作れるようになりたいんですが...。」
「ええと...材料さえあれば作れると思うけど...。」
〈作り方でしたら、私が教えますよ。〉
リヒトが知っているようで、教えてもらえるようだ。
「あなたのデバイスは優秀なんだね。じゃあとりあえず、一応空のカートリッジがあるから、それも渡しておくね。」
「ありがとうござい
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