第1章:平穏にさよなら
第20話「実力」
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ノさんが険しい顔で近づいてくる。
「一つ聞きたいが、君の使う力...霊力は非殺傷にできるか?」
「非殺傷?傷つけないようにするためかしら?そんなのないわよ。」
キッパリとそう言ってのけるかやのひめさん。...まぁ、当然だよね。
「相手を殺してしまう可能性もあるのか...。質量兵器だが、あの短刀も彼女にとっては必須の武器...。...仕方ない、こればっかりは見逃すか...。」
「...あなた達って、その非殺傷設定とやらを使って殺さずに戦ってるのかしら?」
ぶつぶつと呟いて一人で納得したクロノさんに、かやのひめさんはそう質問する。
「ああ、そうだが...それがどうしたんだ?」
「いえ...ただ、随分と生温い戦いなのね。と、思っただけよ。」
「っ.....!」
かやのひめさんに貶されたクロノさんは図星を突かれたかのような表情をする。
「私達式姫は、こと生きるか死ぬかの戦いにおいては、星の数ほどこなしてきたわ。だから、いざとなれば相手を殺す覚悟もできているし、無論殺さないようにする手加減もできる。.....言い方が悪かったわね。つまりは、死ぬ事のない戦いばかりしていると、いざという時...例えば殺さずを得ない場合、非殺傷だからと安心して殺してしまった時、他には...その非殺傷設定とやらが使えない場合での覚悟ができないわよって事よ。」
「...そうだな。」
遠回しな言い方だったために、かやのひめさんは言い直す。
「あなた達は犯罪を犯した者を捕らえるのが主な仕事だから、非殺傷で戦うのはよく分かるけど、非殺傷に頼り切ってると手加減を忘れてしまうわ。」
「そうだな....僕も、そんな人を見た事がある。」
非殺傷設定の解除は警察で言う発砲許可だからなぁ...。その時の人を殺してしまう覚悟がなければ捕まえる事はおろか、その時に殺されてしまう可能性もあるからなぁ...。
まぁ、かやのひめさんは江戸時代辺りの感性でほぼ止まっているからこういう事を言ったのだろう。殺す事よりも生かす事の方が難しいし...。
「...まぁ、貴方や貴方の母親はその覚悟が出来ていたみたいだからいいんだけど。...問題はあっちに固まっている連中よ。」
「...なのは達か...。」
「ええ。彼女達、当たり前だけど人を殺した事がないでしょう?さっきの例えのような目に遭ったら、いつか心が壊れるわよ。」
なるほど。かやのひめさんなりのアドバイスか。
「遠回しとはいえ、助言をしておくなんて、かやのひめさんは優しいね。」
「なっ....!?べ、別に助言のつもりなんて...!」
あ、ツンデレった。しかもなぜか花が二つ現れる。
「あれ?なんで花が..
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