第1章:平穏にさよなら
第20話「実力」
[5/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
躱し、そのまま地面に手をついて、ついでに蹴り上げ攻撃を繰り出す。不意を突いたとはいえ、少し攻撃が緩む程度で躱される。
そのまま一回転して着地した時には、既に彼女は私に攻撃する所だった。
「喰らえ!...なっ!?」
「...引っかかったわね。」
彼女は私に向かおうとして、地面から炎が噴き出し、足止めを喰らう。
「霊術の一つ、“火炎”よ。さっき手を地面についた時、仕掛けておいたのよ。」
媒体として使ったのは御札。これなら紙さえあればいくらでも予備が作れるからね。
「くそっ...!」
まぁ、大した威力は出なかったけど。
「ついでよ。受け取りなさい、“弓技・旋風の矢”!」
「ぐっ...がぁっ!?」
風を纏い、空気を切り裂きながら突き進む矢に、彼女は障壁で防ごうとするが、そのまま霊力の風が炸裂して怯む。
「終わりよ。」
「っ!?しまっ....!?」
その隙に懐に入り込み、短刀の柄で鎚を叩き落とし、霊力の矢の先を首元に突きつける。
「...参った。降参だ。」
「私の勝ちね。」
そこまで苦戦もしずに勝てた。...でも、それは霊力という相手にとって未知の力だったからだと思う。
=優輝side=
「...短刀も強化しておくべきだったかな。でも、知らなかったし...。」
かやのひめさんが勝った所を見て、僕はそう言う。
「彼女...非殺傷じゃないどころか、質量兵器を...!?」
「クロノさん?」
そりゃあ、彼女にとって非殺傷設定なんてないし、質量兵器...短刀だって、彼女が生き抜くために必要だったんだから、持ってて当たり前だろうに。
〈霊力というものは、割と容易く魔力の術式に干渉できるようですね。〉
「そうだね。あっさりと防御魔法を貫いていた。」
霊力は魔力と相性がいいらしく、防御魔法の術式を容易く抉っていた。
「...お兄ちゃん、かやのひめさんは“カタストロフ”と戦って大丈夫そう?」
「分からないな...。彼女に直接聞いてみないと。」
防御を貫く事に関しては大丈夫だろう。でも、肝心の彼女本人の防御力が分からない。
「戻ったわ。」
「あ、かやのひめさん。」
少し考え事をしてる内にかやのひめさんが戻ってきていた。
「霊力は全快でなかったとはいえ、普通に勝てたわ。」
「って、全快してなかったんだ...。」
それなのにあまり苦戦してなかったなんて...。
「相手の意表ばかり突いたからよ。次はそうはいかないわね。」
「なるほどね...。」
そんな会話をする僕らに、クロ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ