第1章:平穏にさよなら
第20話「実力」
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タが聞いてくる。
「おめぇはこの世界...地球の生き物のはずだ。魔力を感じねえから、間違いないはずなんだ。...なのに、守護獣や使い魔みてぇに耳と尻尾がついてやがる。そんな姿で人間なんて言い張らねぇよな?」
「そうね。人間じゃないわ。」
他の人達は私の事より重要な話があったのだから、聞いてこなかっただけだと思うわ。リンディ(...だっけ?)とクロノには先に伝えてあるのだけど。
「草祖草野姫...所謂草の神よ。狐の耳と尻尾は私にも分からないわ。」
「分からねぇのかよ。」
「だって、式姫になった時にはこの姿だったもの。」
出会った人は皆可愛い可愛い言うけど、そんなにかしら...?
...べ、別に嬉しくなんてないんだからね!
「...そろそろ始めましょ。」
「ああ。疑問も解けたし、始めるか。」
少し間合いを取って、優輝に強化してもらった弓を持つ。
そして、優輝に貰っておいた合図用の石を真上に高く放り投げる。
なんでも、念話というものでの合図では私には分からないから、そのためのものらしい。
「っ、でりゃぁああああ!!」
石が地面に落ちた瞬間、彼女は私目掛けて一気に間合いを詰めてきた。
「っ!」
「はぁあああっ!」
「...っと!!」
横に振られた鎚を跳んで躱し、さらに当てに来たのを足に沿わせ、勢いを利用してさらに高く跳ぶ。これで距離が取れた。
「まずは...小手調べよ。」
霊力を矢の形に編み、それを彼女目掛けて射る。
「ちっ!」
ギィイン!
しかし、それは簡単に障壁に阻まれる。
「(今のでは弾かれる...ね。)」
ならばと、今度はさらに多くの霊力を固める。優輝には悪いけど、一気に霊力を補充させて貰ったから全快ではないけど、これなら霊力の心配はないはず。
「あ?もう一発か?」
「...“戦技・強突”!」
しっかりと弦を引き、射る!
...本来なら槍術師が基本的に使う技なのだけど、これは弓術士の私でも使えるわ。
「がぁっ!?」
「っと、これなら障壁を貫けるのね。」
地面に着地し、彼女の様子を見る。
「くそっ、油断してたぜ。今度はあたしから...!」
「(来る...!異世界の魔法に対して、私の力はどこまで通用するかしらね...。)」
彼女は鉄らしきの球を取り出し、それらを私に向かって鎚で打ちだす。
「“シュワルベフリーゲン”!」
「っ...!」
その球は魔力弾(というのだったかしら?)となって私に襲い掛かってくる。もちろん、素直に当たるつもりはないので、躱す。...だけど。
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