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逆さの砂時計
オペラセリアのエピローグ 1
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から滲み出てる雰囲気にも、よく似合うわ。

 でも、あの象徴花、まさかレゾネクトが選んだんじゃないでしょうね?
 クロスツェルの教会でも、なんか妙にベタベタしていたし。
 何かしらの手を出した後だったりとか……

 あ。
 いえ、ダメダメ。
 せっかく、こうして触れ合える機会を得たんだから。
 殺伐としてる場合じゃないわ!

 ゆっくりじっくり存在を確かめてから、互いに微笑み合って、離れる。

「アリアとロザリアをお願い、クロスツェル。ついでにベゼドラの見張りもしておいてくれると嬉しいわ。あの悪魔は天然なのよ。その分タチが悪い」
「天然、ですか?」

 不思議そうに首を傾げるクロスツェル。
 彼と対照的にリースリンデが「うん、天然(ボケ)ですよね」と力強く同意する。

「他者への、無自覚で全開かつ無防備な好意。彼、物凄く人懐っこいの」
「えええええ────っ!?」

 飛び跳ねるほど驚いてるけど。
 貴女も相当、彼に懐いているでしょう? リースリンデ。

「ああ、確かに。そういうところ、ありますよね」
「そうでしょ? またロザリアに甘えようとしたら、全力で止めてあげて。キリが無いから」
「承知しました」

 くすくすと肩を揺らして笑うクロスツェルに、私も笑みが溢れる。

 やっぱり、ベゼドラよりもクロスツェルのほうが頼りになるわ。
 彼が生きている間は、そんなに心配する必要はなさそうね。
 問題は、その後がどうなるか、だけど。
 ここまで追いかけて辿り着いた彼らだもの。
 絶対、悲しいだけの終わりにはさせない。
 私はロザリアの母親として、三人を…………
 いいえ、四人を信じよう。

「フィレス様。今回は、いきなり巻き込んでしまって、すみませんでした。貴女のご協力に、深く感謝します」

 ティーを落とさないように頭を下げると。
 本物の女神は「いえ。お役に立てたなら良かったです」と笑ってくれた。

「地元は飛び出しましたが、私の仕事の本質からは大きく外れてませんし。ああ……ですが、師範とアーレストさんには、一度ご挨拶していただけるとありがたいです。お世話になった方々ですし、当事者でないと説明が難しい詳細も報告しておきたいので」
「わ」

「アーレスト!? アーレストってまさか、アリア信仰に勤めている神父の『アーレスト』ですか!?」

 ……「分かりました」、と答えるつもりだったのに。
 激しく動揺したクロスツェルの声で阻まれてしまった。

「はい。私のこの力はアーレストさんに覚醒させていただいた物なのです。そういえば、お二人はご友人でしたね」
「ええまあ、友人というか、なんというか。そう、ですか。アーレストが」

 大丈夫かしら?
 疑惑と焦燥が
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