曙光
老帝の祝福
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方が気楽で良かったと仰ってただろう。
大公様の家族になってやってくれ、とカメロン様にも頼まれたじゃねえか。
タヴィアさんと同じだと思え、てめえも言ったろうがよ。
『ケイロニアの姫様なんか知らないよ、あんたは私の嫁のタヴィアだともね』ってな」
「流石は、カメロンだな!
私からも御願いするよ、是非ともアムネリスの家族になってあげてね。
王族なんて孤独なものだからね、情けない話だけど身内が1番信用出来ない。
パロを見て御覧よ、沿海州だって似た様な有様だけどねえ。
ヴァラキアに人を遣って調べたんだけど、ふとっちょオリーって馬鹿な王弟が居てね。
アンダヌスに唆されて、聡明な兄王に取って代わろうと画策してるみたいだ。
トラキア自治領のオルロック伯爵も似た様なもんだね、怪しい動きを見せてる。
ヴァラキア・イフリキアと並び称される兄弟国の筈だけど、イフリキアも同じだね。
南方航路の通商権を巡り、ヴァラキア王に任命されたイフリキア総督が暗躍している。
女アンダヌスと通称されるレンティア女王、ヨオ・イロナも一枚噛んでいるふしがある。
カメロンに教えたら、飛び上がって驚いたよ。
『俺がゴーラで忙殺されてる間に、其処まで事態が悪化してたのかい!
グインから連絡があったのはヤーンの慈悲、ドライドンの思し召しだったな!!
俺は直ぐにでもヴァラキアへすっ飛んで行かにゃならん、暫く此処に逗留して貰えないか?
アムネリスが落ち着くまで貴女に居て貰えれば、大変助かるんだが!』だってさ」
「ええっ、カメロン様は沿海州へ行かれるんですか!?」
「ああ、元々カメロンは海の男だからね。
彼には海が似合う、私も大賛成だよ。
私がふとっちょオリーを張り倒して、眼を覚まさせてやっても良いんだけど。
事もあろうに私をオリー・トレヴァーンの嫁にくれないか、と云う馬鹿話があるのさ。
交換条件としてカメロンに話を葬ってくれ、と頼んだら大笑いしてたけどね!
当分の間は此処に居座らせて貰おうかな、と思っているのだけど構わないかしら?」
「勿論、何時までだって居てくれて構わないわ!
サリアに誓って魂の姉妹ではあるけれど、本当の家族になって欲しいと願っているのだから!!」
クリームヒルドの塔に集った真心の持ち主達、光の公女を囲み談笑する家族にも歌が響く。
14歳で薄幸の生涯を閉じたミアイル公子の好む白鳥の歌、サリアの娘。
歌は誰よりも良く、眼の見えぬゴダロの心に響き渡った。
もう聞く事は無い、と思っていたマリウスの歌が心の奥底に沁み入る。
初めて煙とパイプ亭を訪れた時の唄、靴屋のユナス伯爵に伴われ金蠍宮へ向かう後姿が甦る。
ミアイル公子が暗殺された夜、煙とパイプ亭に現れた際の苦し
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