21話 カミーユの直感 5.8
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* インダストリアル1 共同研究棟 5.8 10:00
カミーユは両親と共に各企業が研究開発を進めている共同研究施設に赴いていた。
まだ13歳のカミーユを1人残して、その辺を歩かせる訳にも行かず、ファの両親も移住する上でそれなりに忙しいという話で仕方なく連れてきていた。
カミーユも両親と共に元々メカ好きであり、少年の部でのロボット操縦競技会でも優秀な成績を収めていた。
カミーユはこのコロニーに来てからずっとある頭痛に悩まされていた。
それはこのコロニーが異質なものと感じていたからだった。
「(なんなんだ・・・この禍々しい感覚は・・・)」
カミーユは両親と共に構内の見学に回っていたが、ついに体調の悪さを訴えた。
フランクリンはヒルダと相談し、カミーユを休憩室にて休ませることにした。
フランクリンがカミーユに声を掛けた。
「すまないな、カミーユ。私たちの都合で引っ張りまわしてしまって」
ヒルダも母の顔を覗かせた。
「カミーユごめんね。貴方は普通の子よりも大分大人だから、ここで待っていてもらえるかな」
カミーユは冷たいタオルを頭に当てて、2人の話に頷いた。
「ああ、大丈夫。僕は父さん、母さんに迷惑かけないようにここで大人しくしてるよ」
それを聞いた2人はカミーユを残して、その場を去って行った。
カミーユは少し横になり、休むことにした。
カミーユの頭の中の異質な感覚が晴れない。これが分からない限りは頭痛が消えることはない、そうカミーユは考えた。
カミーユは頭にタオルを当てたまま行動を始めた。感覚で構内を動いて行った。その気分がどんどん良くない方へ行くだけ。
休んでいたのが構内の6階部分、エレベーターに乗り1階へ。そこから大分歩いていくと人気のいない施設へと出てきた。特に守衛らも見かけず、ある扉の前にやって来た。
「ん?・・・開かない・・・」
カミーユはこの先へ行きたかったのだが、行くことができないので諦めかけたその時、後ろから中年の男性に呼び止められた。
「君・・・この先へ行きたいのかね?」
その男性はカーディアス・ビストだった。カミーユは見知らぬ男性の問いかけに臆せず「ええ」と答えた。カーディアスは疑問に思い、そして興味深く思った。
「何故?君はその奥に行きたいのかね?」
「この先に・・・禍々しいものを感じるからです・・・」
カーディアスは驚いた。彼が祖父が言っていた<災厄の箱>の呪いを感じ取れるニュータイプなのかと思った。モノは試しという言葉がある。彼をあの場所まで連れていってみようと考えた。
「君、この先へ一緒に行くかい?」
「うん、入れるならば」
「よろしい。それじゃあ行こうか・・・」
そして
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