21話 カミーユの直感 5.8
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サイド3方面 5.10 9:00
ワイアットは各地に散らばっていた哨戒隊を全て集結させて、艦隊の再編を終えようとしていた。
アルビオンよりラヴィアンローズの事の顛末を報告で受けていた。それにワイアットは予想通りと睨んでいた。
「やはり、コリニーか・・・それにジャミトフも・・・」
そう考えるとバスクに任せた作戦も少々不安に感じた。彼がソーラレイを無力化する故で欠かせない戦力だった。しかし今のところ、目の前のジオンの攻撃に対しての方針は皆同調していた。まず問題はないだろうとワイアットは考えた。
「すると、問題は勝った後かな・・・」
ワイアットは戦後処理で自身の功績を如何にして無に帰し、コリニー派閥が台頭するのかを考えた。
レビルのように暗殺が一番手っ取りとも考えた。しかし、それに対しては既に対策は済んでいる。
「仮に、私を倒したとしても派閥の力は、実戦力比をどうするつもりなのか・・・」
宇宙艦隊の戦力はコリニー派閥が持つ戦力を遥かに凌駕していた。それを破るにはソーラレイにような決戦兵器か何かが必要だ。
「何も報告もない。考え過ぎなのか・・・」
ワイアットは一抹の不安を抱えながら、艦隊の編制が終わったことを副官から報告を受けた。
「よし!全艦発進。最後の戦だ。華々しく飾るとしよう」
ワイアット艦隊はソーラレイの照射範囲外ギリギリまで艦隊を押し進めていった。
* ??? グリプス2 5.10
ジャミトフは完成間近のグリプス2の管制艦内に居た。既に発射できるレベルまでは達していたが、ソーラレイとは違い、まだ連射できるまでは追いついてはいなかった。
ソーラレイとの違いは高速での可動ができるという点であった。
ジャミトフは戦場になると想定した位置にグリプス2を移動させていた。
「フッ、ワイアット如きにこれ程やられるとは少々はらわたが煮えくりそうになる」
ジャミトフはワイアットへの邪魔をジオンの攻撃に差し支えないような部分で抵抗していた。
そして、重要なポイントで思いっきり邪魔をしようと思っていた。
それがこのグリプス2のテスト照射であった。
混戦状態での照射。これでワイアットの息の根を止める。そして宇宙艦隊を崩壊に導き、その時自身が支持し、統括しようとするティターンズの産声を上げるときだと考えていた。
勿論、敵への照射の誤射での言い訳もできる。
「そのタイミングを見誤らないようにせねばな。とりあえずバスクのソーラレイ破壊。あとはコロニーをどうするかだ・・・」
当面の目的は連邦軍の主導を握ること。これが上手くいけば、コリニー将軍は政界へ転じ、自分がトップになる。ジャミトフはそれ以外については全く考えもしなかった。
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