暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の有能な劣等生
放課後の不幸と充実した時間
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
?」
 重々しい声、場を沈める様な声で天野は言った。
 ―――質問の意味を理解する以前に、俺は零宮のなんだ?
 昨日初めて会ったから知り合い? でも、そんな返答をしても納得してくれる様子じゃないし。
 悩んだ末、俺は重々しい空気の中はっきりと言ってやった。
「友達です」
 その言葉を聞いた瞬間、不良達は慌て始めた。
 天野の後ろまで後退し……徐々にその場から離れっていった。
「そうか…………友達。
 友達……ねぇ」
 天野はゆっくりと立ち上がり笑顔で俺の肩に手を置いた。
「その言葉に偽りはねぇな、愚民?」
 最後の一言の一瞬、寒気を感じた。
 この男から発せられる異常な覇気に多少、俺も動揺しているらしい。
「はい、ありません」
 普段の笑顔絶やさず俺は天野の手を掴み言ってやった。
「…………」
 天野の表情は揺るがない。
 大した筋肉だ、相当鍛えてるな。俺も握力に耐えられるなんて流石、貴族様って所かな。
 魔法とは関係ないジャンルの決闘なら案外いい勝負するかも。
「お前、気に入ったぞ」
 その笑顔は別の笑顔だった。
 先程見せた笑顔とは別の笑顔で俺の腕を見詰め、俺の目を凝視した。
「成程、腐った目だ」
「初対面でそんなはっきりと言うなんて先輩、性格悪いですね」
「すまんな、俺は正直者なんだ」
 そう言って天野は笑い出した。
 俺もその笑いに釣られ笑ってしまった。
 成程、案外高校生ってのも悪くないかも知れない。
 色んな奴らで溢れてる。まだ、俺の知らない魔法や人間達で溢れてやがる。そう考えると不思議と笑顔になった。
 普段心掛けてる笑顔とは別の影の本来の笑顔で。

「影君、待って!」
 その声に俺は立ち止まり後ろに振り返った。
「零宮……さん?」
 はぁはぁ……と酸素を吸って吐いてを繰り返す所を見ると全速疾走で走ってた様だ。
 俺は周囲を見渡し奴らの有無を確認する。多分、居ないな…………なら大丈夫だろ。
 放課後の時みたいに絡まれると面倒だし周囲を確認しつつ警戒しないと。
「なに?」
「あ、あのね。
 今日、あの天野先輩と話してたよね?」
「……?
 まぁ、話してたね」
 天野先輩…………そう言えばあの人、零宮の事をさん付けしてたよな。
 不良達の奴らも零宮の事を零宮様って言ってたし。
「あの、何もされませんでしたか?」
 心配そうな表情で言ってきた。
 成程、絡まれた所を見て心配してくれてるのか。
「大丈夫だよ、世間話で盛り上がってただけさ」
「世間話?…………えっと……うーん、その。
 影君は大丈夫だったの?」
 ――――大丈夫だったの?
 この答え方だと他の人間で大丈夫じゃなかった奴も居るって事だ。
 それから考えるとあの不良達と天野先輩、それに零
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ