決闘
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って頬を膨らませていたが、私は剣術もハンマーもからっきしやし、何より戦いの趣旨が異なっているからちょっとね。そんな訳で私はザフィーラの指導の下、格闘術の訓練を行った。前にタンカーで私を倒した銀髪の子が言ってたように、遠距離からのサポートや殲滅なら管理局流では十分なんやけど……一対一の状況や屋内戦闘、近接戦では明らかに能力不足。近づかれると途端に貧弱になってしまう大砲みたいな魔導師が今の私。魔法の適性は生まれ持った才覚によるから流石に変えようが無いが、大元の身体が直接格闘の技術を身に着けることに制限は無い。つまり……魔法は駄目でも体力は鍛えれば何とかなるって話や。
「だから私はベルカの格闘術を少しは身に着けた。マキナちゃんもCQCをまだ完全に身に着けていない以上、近接戦の実力はお相子や」
『お生憎様、私はファーヴニルとの戦いの前にいくつもの困難な訓練をしてきた。確かに私も未熟かもしれないが、まだ始めたばかりの八神ほど弱くは無い』
「それでも! 私かてそれなりの訓練は受けてきた……魔法無しでも負けるつもりはあらへんよ!」
『そうだ、それでいい。闘いの基本は格闘だ。武器や装備に頼ってはいけない!』
啖呵を切った私とマキナちゃんは同時に駆け抜け、相手に殴りかかる。私の右ストレートを腕で防いだマキナちゃんは、円を描いて抉り込むような攻撃を繰り返して来る。しかし守りに関しては特に指導されたため、私もまた腕で防ぎ続ける。互いにまだクリーンヒットが入らない中、不意に足払いされた私はたまらず転倒する。だがこちらも倒れた直後に身体を回転させてマキナちゃんの足を蹴り上げ、支えを失った彼女も地面に倒れ込む。
どうにか先に立ち上がった私は、即座にこちらを向いた彼女の左頬へ右ストレートを打ち込む。だが向こうもそれを想定していたのか、クロスカウンターで左ストレートを私の右頬に抉り込ませる。ゴリッ! と顔の骨から嫌な音が響き、同時に顔面にヒットした事でたまらず唾が飛び散って後ろによろめく。急ぎ呼吸と平衡感覚を整え、足の震えを気合いで抑えて再び相対する。
身体を小さく縮め、歩法で一気に懐へ迫った私はバネのように勢いをつけて右アッパーを放つ。対するマキナちゃんは咄嗟のバックステップで勢いを殺したアッパーを両手で掴んで抑え込み、着地の反動を利用して私の喉元に手をかけ、グンッと押されたせいで背中から叩き付けられる。またしても追い討ちで右ストレートが放たれるが、私もさっきと同様に横に転がって退避。状況が振り出しに戻る。
絶え間なく連続攻撃を仕掛けてくる彼女の拳術を、腕を動かして何とかガードで耐え続ける。少し焦れた彼女が右の手に力を溜めてストレートを放つが、その射線上に私は自分の頭を置く。頭部の骨の硬さは相当なもんや、それにいきなり当てられた事で彼女の右
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