決闘
[3/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
て吹き飛ばし、私が抑えた右腕を解放されてしまう。
反撃と言わんばかりに正拳突きをこちらから放ったのだが、またしてもCQCで腕を掴まれて地面に叩き付けられる。しかし追撃される瞬間、両足をばたつかせて牽制する事で攻撃出来ないようにし、その間に立ち上がった私は一気に足に力を込めて踏み込み、渾身の正拳突きを放つ。それをマキナちゃんは腕を十字に交差させて防ぐが、一応威力がそれなりに乗っていたため、後ろに数センチ地滑りしていた。ダメージはあまり通っていないようだが……ある程度の距離を保ちながら、私と彼女は身構える。
『見覚えがあると思ったら、それはベルカの格闘術? まだまだ荒削りだけど、筋は良いね』
「そりゃどうも。ザフィーラから教わった甲斐があったもんや」
『盾の守護獣ザフィーラ……確かに守りにおいて、彼に匹敵する拳術使いはいないかな』
「うん、私の誇れる騎士で、自慢の家族や」
私達の言葉を聞いて、モニターの向こうでこの戦いを見守っているザフィーラが寡黙な笑みを浮かべる。それは主である私からお褒めの言葉をもらったためなのか、それとも先代主の娘のマキナちゃんが11年経った今、自分の拳を思い出してくれたためなのか、それは彼しかわからない。ただ……今はこの瞬間のために、彼に頼んで格闘術を教えてもらった事を感謝したい。
一昨日の事だ……私はマキナちゃんの決闘を受けた後、すぐザフィーラに頭を下げていた。その時の会話は次の通りだ。
『……ザフィーラ、お願いがある。私にベルカの格闘術を教えてくれへんか?』
『主が求めるなら構いませんが……どうして今格闘術を? 当日まで体力の回復に専念した方がよろしいのでは?』
『私の怪我なんて、皆と比べたら無いも同然や。あの戦いで負った怪我は、マキナちゃんとシャマルの治癒魔法のおかげでとっくに治っとる。むしろ私とマキナちゃんの実力差を考えたら、当日までに出来るだけ強くならないとあかんねん』
『それはそうかもしれませんが、そもそもクロスレンジで戦うと決まった訳ではないはず? 彼女はスナイパーとしての戦術も使えるから、むしろロングレンジ同士の戦いになると思っているのですが……』
『確かに管理局らしく魔法戦で白黒つけるんやったら、そういう勝負にはなるかもしれへん。でもマキナちゃんは納得のいく純粋な決着を望んでるし、かくいう私も同じ気持ち。だけど……このまま戦っても負けるのは確実や。それじゃあ心をぶつける以前の話になってしまうんよ。せやから、お願い……ザフィーラも怪我しててキツイのはわかるけど、それでも頼みたい……』
『主……わかりました。この盾の守護獣ザフィーラ、全身全霊を以ってご指導させて頂きます!』
胸を張るザフィーラの影でシグナムとヴィータが自分達では駄目なのかと思
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ