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リリなのinボクらの太陽サーガ
決闘
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……!」

言葉にする内にシャマル達は嗚咽が止まらなくなってきていた。これを作っていたであろう時の姿や、皆と過ごした日々が鮮明に脳裏に映り、感情の発露が抑えられなくなってきていた。皆が今抱いている気持ちは、先日まで私も感じていたから我が身のように理解できる。だから落ち着くまで、しばらくそっとしてあげよう。

淡い白色のマフラーを小箱から出した私は、残る仕上げを済ませるべく編み物棒を手にする。裁縫の経験は少ないけど、これぐらいの仕上げなら一時間ぐらいですぐに終わらせられる。サバタ兄ちゃんは時間が無くて最後の仕上げが出来なかった……だから私が完成までの仕上げを引き継ぐ。せっかくここまで作ってくれたんや、ちゃんと完成させて使ってあげたい。

皆が見守る中、編んでいる間に頭の中で思う……サバタ兄ちゃんはずっと私達を想ってくれてた。それを私達もわかってて、恩返しのパーティをするつもりやった。でもこれを見てわかった……パーティをやれてたとしても、サバタ兄ちゃんの方が一手上回っていた事を……。

「……よし、完成や」

早速巻いてみると、この“純白のマフラー”はサバタ兄ちゃんの“月光のマフラー”のようにかなり長く作られており、普通の巻き方だと立っていても端が床に届く程やった。一人で使うなら巻く数を増やさなあかんけど……、

「主、ご一緒してもよろしいですか?」

「ええよ〜。皆も入って入って〜」

リインフォースがマフラーの一部を首に巻いて、私と彼女の二人マフラーとなる。そこからヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィーラがリインフォースと同様にマフラーの一部を首に巻いていく。全員が巻いて丁度良い感じになっているから、もしかしたらこのマフラーはそのつもりで作られていたのかもしれない。

「6人マフラー、と言うより八神家マフラーやね。ほんま、あったかいなぁ……」

「ええ、とても暖かいです……じんわりと心に染み渡ります……」

「あったけぇ……ぽかぽかする……」

「こうして皆で巻いてると、兄上殿の深い愛情が感じられるな……」

「ええ。回復魔法では再現できない、本当の安らぎが感じられるわね……」

「うむ、兄上殿の心がこもっているからここまで暖かいのだろうな……」

私達は一ヵ所に集まって自然と笑顔を浮かべ、サバタ兄ちゃんの匂いが微かに残るマフラーに皆で顔を埋めるのだった。








12月31日……管理局はなのはちゃんを代表に、私とフェイトちゃんをファーヴニル封印の功績を称える意味で表彰式に呼んできた。断る間もなく連れていかれた本局の会場で、私達は伝説の三提督や上層部の人達からたくさんの拍手と、管理局でも滅多に与えられない最高栄誉賞という勲章を授けられる事となった。

「絶対存在の力を制
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