IFルート 一話:狂った運命
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Uは破壊された。
正面で受け止めるという本来の目的には達しなかった。
だが、“奇跡的”な確率でS2Uが弾丸の下部分に当たりその軌道をずらしたのだ。
そのおかげで弾丸が頭を掠め血が噴出するクロノであったが命に別状はない。
“奇跡”のような出来事に驚愕の声を上げる切嗣だったが、身体は既に次の手を打っていた。
コンテンダーを振り上げ、クロノの脳天に目掛け振り下ろす。
単純であるが故に原始時代より前から行われた殺人方法、撲殺。
たった今できた傷口に落としてやればいくらバリアジャケットがあろうとただではすまない。
(これ以上封印の邪魔をさせるわけにはいかない。保険は整っている。クロノ・ハラオウンはこのまま始末しても問題はない)
既に最悪の場合の保険は整っている。
時間をかけないようなら邪魔な物となった者は始末した方が良い。
殺しを解禁された以上はそこから先は衛宮切嗣の独壇場だ。
だというのに、運命は切嗣を嫌うかのように邪魔をし続ける。
「ハーケンセイバーッ!」
『Haken Saber.』
金色の刃が高速で回転しながら飛翔してくる。
その刃は高い切断力と自動誘導の性能を併せ持つ。
フェイトとバルディッシュの容赦のない攻撃が今まさに止めを刺そうとしていた切嗣を襲う。
思わず、内心で舌打ちを零す。だとしても冷静さは決して失うことはない。
即座に固有時制御二倍速を使い、回避する。
だが、黄金の刃は逃がさぬとばかりに迫ってくる。
「バリア!」
切嗣は一端足を止めて防壁を張り、刃を防ぐ。
しかし、この魔法にはバリアを“噛む”性質がある。
まるで電動のこぎりで少しずつ削っていくかのように防壁を消耗させていく。
そして、その特性を十二分に熟知している使い手たるフェイトは無防備になった切嗣の後ろに回り込み閃光の戦斧を振りかぶる。
「甘い…ッ」
「読まれてた!?」
だが、その程度のことを予想できぬ切嗣ではない。
わざわざ受け止めたのはフェイトをおびき寄せる為の罠に過ぎない。
自身の動きを止めれば後ろに回り込んでくると予想を立てており、そこに向け振り向くこともせずにキャリコの銃弾の雨を浴びせる。
威力そのものは低いキャリコであるが、元々装甲の薄いフェイトにとっては凶器たり得る。
腕と足に数発の銃弾を受け、堪らずに障壁を張る。
同時に光の刃もその役目を終え、消え去る。
「固有時制御――二倍速!」
そんなフェイトの様子には目もくれず、切嗣はアリアの元へ一直線に向かう。
今果たすべき戦略的目標はアリアを拘束から開放し、永久凍結を行うこと。
無防
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