IFルート 一話:狂った運命
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だ良いようにやられるだけでは執務官は名乗れない。
「……固有振動数は割り出させてもらった」
防戦一方のように見えてクロノは静かに逆転の機会を探っていた。
目標の固有振動数を割り出した上で、それに合わせた振動エネルギーを送り込み目標を粉砕する魔法。
それを呼吸を忘れるような戦闘の最中に当然のようにやってのけたのだ。
すぐさま、手を引こうとする切嗣だったが間に合わない。
「ブレイクインパルス!」
『Break Impulse.』
接触し合った瞬間に砕け散るナイフ。
相手のデバイスを破壊してしまえば後は捕縛するだけだ。
だというのに、先程以上の寒気がクロノを襲う。
目を向けてみれば自身の脳天に銃口を向け唇の端を吊り上げる姿が目に入った。
馬鹿なと、思う。形態を変えるデバイスと言えど、元が同じデバイスである以上は一部が壊されれば何らかの不具合が生じるはずだ。
そんな思考を読んだかのように切嗣が口を開く。
「ナイフは最初から消耗品としてしか作ってないんだよ」
ナイフは何も手にもって斬りつけるだけが全ての武器ではない。
投擲することもあれば、相手の肉を貫き固定させることもある。
その際に一々回収するなどという面倒な真似はできない。
故にナイフに関しては元より消耗する物としてストレージに保管してあるものを取り出すようにしてある。
―――死ぬ。
クロノの頭にその一言が過る。
人は死を目前にしたときに時間が遅くなったように感じる。
これは実際に遅くなるということではなく、本能が全ての機能をもって生命を維持させようとするからだ。
他の全ての機能を蔑ろにして生存を優先させるための機能に力を集中させる。
その結果、時が遅くなったように感じられスローモーションで見えるように感じる。
切嗣がコンテンダーの引き金を引く姿もスローモーションに。
『Penetration shot』
弾丸が放たれる。もはや、頭は何も思考していない。
普通の人間であればここで何もすることなく無残に脳を貫かれ即死する。
だが、クロノは普通ではない。血の滲むような修練を行ってきた。
頭が思考を放棄しようとも、身体に染みついた反応は嘘をつかない。
ただ、何も考えずに無防備の状態でS2Uを眼前に持ち上げ防御の体勢をとる。
できたことはそれだけだった。例え、間に合ったとしてもS2Uごと貫かれる。
それだけの威力は持ち合わせている。そして―――防御はタッチの差で間に合わなかった。
「なにッ!?」
しかしながら、幸運の女神はクロノを見放しはしなかった。
確かに彼の防御は間に合わなかった。そしてS2
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