暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
Fate/stay night
1178話
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顔面を鷲掴みにされている状況を考えると、今は空を飛んでいるというのも分からないかもしれない。
 手の中で何か呻いていたようだが、それを無視してそのままアインツベルンの森へと向かって突き進む。
 空を移動する事により、誰かに見られる可能性もあるかもしれないが、教会の周辺で戦いを行うよりはマシだろう。
 そのまま空中を浮かんで突き進んでいると、金ぴかの手が俺に向かって伸ばされる。
 だが、純粋なステータスでは圧倒的に俺の方が勝っている現状で何が出来るでもない。
 寧ろ、顔面を鷲掴みにしている右手の力を強めて顔を破壊すると言わんばかりに握り締める。
 いっそこのまま殺してしまってもいいんじゃないか?
 そんな風にも思ったが、今のままだとまだ得た物が剣1本と少なすぎる。
 こいつは俺にとって打ち出の小槌に等しい存在である以上、もう少し叩いて、振って、お宝を吐き出させてから稼がせて貰わないとな。
 そう考えていると、向こうも素の力ではどうにも出来ないと悟ったのだろう。周囲の空間が波紋のように揺れるが……それも意味はない。
 宝具が射出されようとした瞬間には、既にそこに俺と金ぴかの姿はない。
 今の俺の右手は、金ぴかの視界を完全に塞いでいる。
 幾ら宝具の射出速度が今の俺に匹敵しようと、標準が定まらない射撃が当たる道理はない。
 懸念があるとすれば、射出された宝具が俺以外に被害を出す事だが、その場合はどうしようもない。
 そうして……教会から飛び立ってから十数秒。俺の姿はアインツベルンの森の真上までやってきていた。

「ほら、ここが戦いの場だ。先に行って俺が到着するのを伏して出迎えろ、金ぴか!」

 その言葉と共に、筋力A++、勇猛の2つの能力を全力で発揮し、下に見えるアインツベルンの城の方へと向かって金ぴかを思い切り投げつける。

「貴様ぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 これ以上ない程の怒声を込めつつ、金ぴかはそのまま地上へと向かって落下していった。
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