Fate/stay night
1178話
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とした、その時。
「おいそこの金ぴか。さっきから偉そうに何かほざいているが、俺から見ればお前は単なるピエロ以外の何ものでもないぞ。いや、ピエロにしたって見ていて笑えないな。もう少し愉快な催し物をしたらどうだ? そうだな、取りあえずお前はそこで3回まわってワンとでも鳴いてみろ。そうしたらお捻りくらいは恵んでやるよ」
まず最初にすべき事は、金ぴかの注意を……この場合は殺意と呼んでもいいが、それを俺に向けさせる事だ。
下手に金ぴかに自由に行動されると、攻撃範囲が広いだけに全員をカバーするのは不可能だからな。
案の定、俺の言葉に金ぴかは不愉快そうに頬をひくつかせる。
「我に対してその無礼、許されるものではない。貴様には死すらも生温い」
「いけない、アークエネミーッ! アーチャーの強さは……」
「静まれ、セイバー。我を心配するのは分かるが、この我がそのような雑種如きにどうにかなる訳もあるまい? お主は、その雑種が無残に死に行くところを見ていればいい」
「自信満々だな、金ぴかピエロ。いや、それにしてもピエロって割りにはお前の顔には何の面白みもないな。その辺の泥で顔を塗りたくったらどうだ? そうすれば、お前の格に相応しい顔になるだろ」
「泥……だと?」
うん? 何となく言った言葉だったが、何だって泥に反応する?
いや、そうか。そう言えばこいつの唯一の親友であるエルキドゥとかいうのは、泥で出来た人形とかいう話だったか。
ならこいつの注意を俺に向けるのはそう難しい話じゃない。
「ああ、泥だ。まぁ、所詮は泥だから、下らない泥人形は全く意味のない玩具同然のゴミに過ぎないだろうがな。泥人形程度、踏み潰してやろうか? まぁ、お前も泥人形も同じように俺に踏み潰されて、哀れに泣き喚くのがお似合いのゴミでしかないがな」
「貴様」
スラスラと俺の口から出てくる挑発の言葉に対し、短く言葉を返した金ぴかの口調はまるで激昂を感じさせないものだった。
いや、頭に血が上り過ぎて怒りの頂点すら吹っ切れ、怒りを現す事すら出来なくなっているといった方が正しいか。
その証拠に、怒気の籠もった金ぴかの視線は俺だけに向けられている。
更に、その視線は憎悪に塗り潰されていた。
よし、いい傾向だ。後は金ぴかをアインツベルンの森まで強制的に連れていけばいいだけだな。
今の金ぴかの状態を考えれば、俺を逃がすという事はまず有り得ないだろうし。
続いて視線を先程俺がゲイ・ボルクで弾いた武器の方へと向ける。
射出の勢いは強かっただけあって、弾かれた剣はそのまま切っ先が地面へと突き刺さっている。
金ぴかの前で堂々とその剣の前に移動し……突き刺さっている剣の柄に触れ、そのまま収納する。
……うん? 何か妙だったな。
今、確か
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