16.人生には驚きの再会がある。これって重要なフラグだよね。
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無を言わさず部屋を取った。
宿屋のオヤジは二人を見てイヤな顔をしていたが金を払えばこっちは客だ!
部屋に付くなり、
二人を風呂に入らせルームサービスで食事を頼む…
ヘンリーとスラリンが頑張って戦闘をこなしてくれるお陰で、金は結構な額ある!
しみったれた頼み方じゃなく、豪快に食事を注文した!
最初は二人とも戸惑っていたが、極度の空腹と目の前のご馳走に我を忘れ、テーブルまで食べてしまいそうな勢いで平らげてくれた。
うん。気持ちいい!
そして俺は二人が食事を終えるのを見計らって生い立ちを尋ねてみる…もしかしたら話したくはないかもしれないけど、何か力になれる事があれば…
ガラにもなく、そんな思いで尋ねてみたのだ。
すると、最初は躊躇いがちだったが、この国の現状も合わせ話してくれた。
二人の父親は城の兵士をしていた。
しかし、幾多の理不尽かつ非人道的な命令に嫌気がさし不平を漏らした。
その事が太后の耳に入り、逆賊の烙印を押され即刻処刑された!
そして、家宅捜査の名の下に略奪が行われ、それに抵抗した母親も兵士達に嬲り殺された。
この子達の目の前で犯されながら…
少女は泣きながら語る…
俺には慰める言葉が見つからない…
俺があの時、ゲマの事を見くびってなければ…
俺があの時、人質になどならなければ…
そんな思いが俺を苦しめる。
ふと、小綺麗になった少女を見て思った。
もう5.6年もすれば美女になる事が間違いない少女。
長い艶やかな黒髪を古く薄汚れたリボンで結っている。
見覚えのある、懐かしいリボンで…こんな偶然もあるものなのか…
「君の名は、マリソルかな?」
少女は驚いた様に頷く。
「何故、私の事を?」
「10年前、泣きじゃくる君にリボンをプレゼントしたんだよ」
まだお母さんのオッパイを飲んでいる様な赤ん坊だったし、憶えてないよね。
「あなたが、リュカさん!?」
「僕の事聞いてるの?」
「はい、私に幸せのリボンをくれた男の子だって母が…」
幸せか…
「ヘンリー」
「あぁ!」
「何処か、忍び込む場所はある?」
「ある!俺に任せろ!」
俺は久しぶりに本気になっていた。
<ラインハット城地下通路>
あー最悪ぅ!
怒りにまかせ即刻行動に出たけど、ゆっくり疲れをとってからにすれば良かった。
ついつい、可愛い女の子の前で恰好を付けちゃうんだよねぇ…
せめて気分を紛らわす為に、大きな声で『ダンシング・オール・ナイト』を歌う…
城の地下という事もあり、通常のモンスターはいないのだが…人がいる。
いや、生きた人ならいいのだが、元生きていた人達が大勢いる。
「ぎゃー、襲ってきたー!」
「お前がでけぇー声で歌ってるからだろ!」
「ゾンビ!!ゾンビがいるー!
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