一人住人が増えました------------第一部完
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アリシアから説明を聞いたアーノルドは深々と嘆息する。
「いつも思っていたが、どうしてそう危険なことに首を突っ込むんだ」
「う、だ、だって見捨てられなかったし」
「……だからって心配している俺のことも少しは考えろ」
アリシアの正義感の強さをアーノルドはよく知っている。
それでよく厄介事が舞い込んできているのも。
そんなアリシアの性格は好ましいが、同時に自身を危険にさらしているのがアーノルドは気に入らない。
大事な“妹”を危険に晒せるかとアーノルドは思う。
それに気づいていないのかアリシアはとても嬉しそうで、全く反省していないなとアーノルドは思った。
だが、お説教をするよりは依頼を先に進めようと思い、
「それで、メルシ−からの依頼でその少女を届けることになったから探していたら……アリシアがまた何かをやらかしたらしいと」
「う、ただ単に手助けしただけで……」
「いいわけはいい。後でお説教だ」
アリシアがしょんぼりと俯く。
そこで目的としていた少女が、
「アリシアは悪く無いです。私が助けを求めてしまったから……」
全部私が悪いんですと幼い少女が告げる。
こういう風に言われてしまえばそれ以上アーノルドもいうことが出来ず、仕方がないと嘆息して、
「それじゃあ、依頼通り目的の場所に連れて行く」
そうアーノルドは告げたのだった。
目的の場所にメルシーはいた。
だが笑顔というよりかは、張り付いたような笑顔になっている。
そしてアーノルドを見るやいなや告げた。
「もうしわけないけれど、シャーロットをしばらく預かってもらえないかしら。報酬は上乗せするから。ちょっと面倒なことになっていてね」
「で、俺達にも危険が及ぶんだが」
「……後で上司の方からお話する予定だわ」
「あいつが直接来るような案件てことか」
嘆息するようなアーノルド。
そしてアリシアは、シャーロットと顔を見合わせるとシャーロットはアーノルドとアリシアの前にやってきて、
「よろしくお願いします」
そうペコリとお辞儀をしたのだった。
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