暁 〜小説投稿サイト〜
骨斧式・コラボ達と、幕間達の放置場所
交節・ “愚” と “紅” 、二種の殺戮者
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 湧き上がる衝動そのままに、スイは地を蹴り突撃。


 残像を作り出しフェイントをかけ……刹那、目視など不可能な速度で凶刃が閃き、女性の喉笛へ吸いこまれていった。



「ほいっと」


 そして無造作に止められた。


「……は?」


 声に合わぬ力を込めたか衝突音こそ物々しいが……それが幻聴なのかと錯覚させる気軽さでストップさせられ、スイの瞳は思わず皿になる。

 先まで何のアクションも見せていなかった筈なのに、コンマ数秒でもまだ表現が足りないスピードで刀身を割り込ませたのだ。
 スイのリアクションが当然と言える。


「ほっ♪」


 そのまま剣をスコーピオンで払った動作に連動し、続いて放たれるは軽い声に似合わぬ、重苦しい風切音を湛えた回し蹴り。
 彼女自身のプレイヤースキルと背が低さから、中々に躱し辛いときた。


「! クソッ……!」


 スイは至近距離を一旦諦め、武器を油断なく構えてからのバックステップで、通常のプレイヤーでは有り得ぬ速度を叩きだしながら退く。


「逃がしませんよ?」


 女性は余裕のつもりなのか、少々の間を置いてから追ってくる……が、その速度が尋常ではない。
 蹴った威力で砂煙が上がり、一瞬消えた様に見えなくなったのだ。

 現れた際にもただでは迫らず幾重もの紅い影を残しながら迫ってくる。

 オマケに残像の所為で真っ直ぐ来ているのかジグザグに蛇行しているのか判別が付かない。スイのバックステップとは文字通りケタ違う。


(何か来る……!?)


 スイはほんの少し後ろに下がり――― “予感” に従って剣を右へ置いた。


「うおおっ!?」


 瞬間下から迫るは、紅く眩い光源たる刃。
 突如として走る、車にでも激突されたが如き衝撃。しかもそれは現実基準ではなく、強化されたアバターの身でそう感じたのだ。

 実際の威力など車の比では無かろう。


「ハイハイハイ!」


 人一人分の距離ノックバックしたスイへ襲いかかる、スコーピオンの槍刃を使った連続の刺突。


「うっ! ぐっ……うあっ!」


 顔面への二撃を微弱な動きで捌き、更に重ねられる三段突き―――を囮に腹へ迫るスラストを弾き、そこで待ってましたとばかりに横に振られ斧刃部分が胴へと迫る。
 受けてなるかと打ち上げスイが追撃したが、女性は勢いを殺さずバク転して結果見事に空振り。

 まだだと踏み込み、左へ行った両手剣を引き戻しながら叩きつけ―――『赤い何か』が一瞬迸ったかと思うと、下から打ちあげられてスキルでも無い一撃は不発に終わった。


「まだまだ?」


 ニヤリ笑いながら槍部分の先端を胸部へ迫らせるも
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