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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
未練-リグレット-
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に言った。
「今のお前の役目は、俺と戦うことじゃねえ。その子たちを守ってやることだ」
「だが…!」
自分は戦うことが氏名と強く捉えていたシュウはすぐに納得しなかった。
「それに、彼女たちにはお前が必要なんだ。今大事なのは、お前が傍にいてやることだ。だからよ、ここはこの不死身のアスカ様に任せとけ!」
胸を叩いて自信たっぷりにアスカは言ってのけた。その言葉は何者よりも頼もしくたくましく見えた。
強い期待を寄せたマチルダは笑みを見せ、いまだシュウは納得しかねる様子だった。テファはというと、安堵していると同時に不安を抱く。元々自分たちの件とは無関係だったはずのアスカを巻き込んでしまっていることが気になっていた。
「ごめんなさい、アスカさん…これは私たちの問題だったのに」
「気にすんなって!んじゃ、行ってくるぜ!」
「お、おい!」
シュウの制止を聞かず、アスカはそのまま行ってしまった。
「シュウ、今はアスカの言葉に従いな。それに…」
引きとめようとしていた彼に、マチルダは言った。
「そろそろあんたには、遠慮ってものを知ってほしかったところだからね」
いい加減、シュウの戦いに対する積極性の異常さにしびれを切らしてきたのだろう。鋭い目を研ぎ澄ませたその目線の凄みにシュウは思わず黙り込んでしまう。
「…わかったよ」
シュウは最後まで納得こそしなかったものの、言われたとおりに従うことにした。



町の建物を踏み壊しながら、町を進んで破壊の限りを尽くそうとするモルヴァイア。街の中へ駆け出していたアスカはそんな、久方ぶりに会った強敵の姿を見上げる。
「てめえと会ったのって、何年前だったかね…ま、どうでもいいか」
彼はウルトラマンのレリーフを掘り込まれた物体を胸の内ポケットから取り出した。彼をもう一つの姿に変える神秘のアイテム、『リーフラッシャー』である。
シュウの、世話のかかりそうな同じウルトラマンの後輩のためにも、こんな敵、さっさと片付けなければ。
「速攻で片を付けてやる…ダイナーーーーーーーーー!!!」
リーフラッシャーを掲げ、まばゆい光に包まれた彼はもう一つの姿…ウルトラマンダイナへと姿を変えた。




アスカと別れたシュウたちは、彼に言われたとおり港のほうへまっすぐ向かった。シュウが提案した、アバンギャルド号を奪取しアルビオンを脱出するために。
「さ、急ぐよみんな」
マチルダがその後ろで皆を引き連れていた。
「うぅ…眠いよ…」
「眠っちゃだめだ!強い子になれないぞ!」
しかし、すでに夜遅い時間帯だ。子供たちは寝ぼけ眼だ。しばらく走ったのち、マチルダたちはついに港にたどり着いた。物陰から覗き込んでみると、船着き場には思った通り、見張りの兵たちが勢ぞろい。すぐに動くのはまずい。
「…地下水」
「はい
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