未練-リグレット-
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中で垣間見た、炎の中で吠える…『黒い巨人』の姿が見えた。
と、その時…。
外がなにやら騒がしくなりはじめた。
「あれは…!」
窓を開けて外を見たマチルダが声を上げた。それに反応してシュウやアスカも外を見る。
そこには、昼間と同様に巨大な怪獣が姿を現していた。凄まじい咆哮が皆の耳を貫く勢いで放たれていた。
「また…ッ!」
マチルダはとっさに杖を取り出す。今の彼女の目には、村を襲ったムカデンダーの姿に見えたと思ったら、今度はツインテール、グドンの姿に、次々と姿を変えていっているようにも見えた。
アスカの目にも、同じような現象が起きた。初めてダイナになったころから長い間宇宙で戦い続けてきて、相手にしてきた怪獣や異星人の数は果てしない。それらの怪物に、何度も姿を変えていっている。
それを繰り返した果てに、怪獣は最後にゼットンの姿をかたどると、白くその姿を発行させた後に弾けて散り、再び一つの形へと姿を変える。
それも、角を持った悪魔のような姿をした怪獣へ。
この現象と、昼に見た黒い花…何より敵の姿を見たアスカは、はっとして声を上げた。
「そうか、思い出した!あいつは確か、『モルヴァイア』!」
「も、モルヴァイア?なんだいそいつは…?」
「俺が昔、相手したことがある怪獣の一体だ!奴は隕石の欠片って形で地球に降ってきて、黒い花を咲かせたんだ。そしてその花は人の恐怖に反応して、幻覚を見せる。その恐怖を吸い取ることで、強化されるんだ」
このとき、アスカはついに思い出したのだ。今のこの怪奇現象を起こしている元凶のことを。
その名は、かつてアスカ=ウルトラマンダイナを苦しめた強敵の一体『恐怖エネルギー魔体 モルヴァイア』。
ふと、アスカはたまたま疑問に思ったことがあった。自分が知るモルヴァイアの黒い花、それは黒い花弁のチューリップの姿をしていた。
(でも俺が知ってるモルヴァイアの黒い花、あれはこんな花じゃなかった)
でも、この町で見た黒い花はチューリップ状のものではなく、知らない花…確かシュウの話によると、『紫苑』という名前の花だった。
モルヴァイアは、アスカに向けて、敵意ある視線を向けていた。そして町のほうへ進んでいく。幻影であったはずなのに、町の建物を直接踏み潰し、煙を噴き上げながら。
むろん、突然の事態に、家の中に留まっていた人たちも含め、町の人たちは再びパニック状態に陥った。
その姿をもあざ笑うかのようにモルヴァイアは町の中に入り込んでいった。
「シュウとマチルダは、今のうちに皆を連れて港へ!」
「混乱に乗じてってか…わかったよ」
「待て、俺も行く」
子供たちの誘導を承諾した一方で、シュウは自分も戦いに出ることを宣言する。
それに対し、テファがだめ!といおうとする前に、アスカは首を横にふり、次のよう
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