未練-リグレット-
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とも懸念されるしな…」
「それならアスカ、俺が原因を取り除いてくる。その間あんたにはティファニアたちを守ってほしい」
まだアスカのことに関しては、全面的な信頼はまでは寄せきれていないが、メフィストよりもはるかに信用できるし、背に腹は代えられない。
「…それしかないね。けど、シュウ。無茶はだめだよ」
またシュウに戦いをしいら無ければならない。生き延びるためとはいえ、これ以上この子に無理はさせたくないのが、マチルダの本音だった。
「…考えておくさ」
考える、という返答。それはあまり信用なら無いものだった。そう何度も彼が無茶をしなければならない展開などあってたまるかと思うが、村が襲われたときから無茶の連続。しかも彼はテファの手によって召還されて以来、ウルトラマンとして無茶な戦いをしたことで酷い怪我を負った状態で帰ってきたこともあった。だから、「無茶はしない」とはっきり言わない返答が信頼性に欠ける。
「………」
シュウは再び夜の闇に包まれたロサイスの街を窓から眺めてみた。昼間の騒ぎの影響か、警邏の兵たちが多数見つかった。魔法の威力では怪獣に勝つ事ができないとしても、役目を放棄する事はできないという表れだ。ゼットンとの戦いの直前に会った、あのどこかの軍に所属しているであろう青年も同じだろう。どこかで同じ任務についている。運悪く怪獣と出くわしてしまえば、命を確実に奪われるとしても。考えてみれば説得に応じようともしなかったのも当然だ。自分も同じ立場だったら同じ事をしていた。地下水からも指摘を受けたのだから。
(元を断たなければ、この騒ぎは収まらない、か)
この騒ぎの発端となった存在を倒さなければ、船はまず出されないかもしれない。
異常といえば、他にも黒い花とかも浮かぶ。あの黒い花の形、シュウには覚えがあった。地球と異なる異世界であるはずなのに咲いていた紫苑の花。
どうして、地球の花が咲いている?それにあの真っ黒な色…。
それに、あの時…
シュウの脳裏に、あの黒い花を見たときに見かけた、茶髪の少女の姿が脳裏をよぎった。
(また、あの顔…)
窓の外を眺めているシュウを、テファは憂い顔で見つめていた。
嫌な予感がよぎっていた。
テファは不安だった。
彼は戦う事、自分を守るためなら命を捨て去る覚悟を持っている。自分が傷つく事にためらいがまるでない。まるで世界が、彼を一方的にいじめているようにも思える。彼は表情を変えることは無かったが、テファは信じていた。彼は勘定に関してはかなり不器用だが、本当は優しい人なのだと。そして、そんな彼がどうして傷だらけになることになるのか…。
一人で抱え込むことに彼がこだわり続け、心を閉ざしたままでいたら、いずれ…彼が、自分たちの知る彼でなくなるのでは…と。
そのときのテファの脳裏には、いつかのヴィジョンの
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