暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
未練-リグレット-
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も、まったくの被害を出さないまま去っていくとは、いったいどういうつもりなのだろうか。何か意図があるのだろうか。
「まだガルベロスだとわかったわけじゃない。なんにせよ、警戒するに越した事はない」
「そうだね…ったく、もうわかっていたとはいえ、厄介な旅になるね」
マチルダはため息を漏らす。もうすでにわかっていはいた事とはいえ、目に映るほどの危機に直面したことで子供たちに不安が募った。
「私たち大丈夫かな…」
「まぁ、気を重くしてもしょうがねーし、めった事がなけりゃ負けねえよ。ここにはシュウと、この不死身のアスカ様がいるんだからな」
胸を強く叩いて、俺に任せとけとアスカは豪語する。かつての戦いで発生したワームホールに飲み込まれても生き延びたほどの男であるから、説得力が強い。
頼もしいその言葉に子供たちにも笑みが戻ってきた。
「しかし、船の件はどうするかね…このまま時間が長引いたら、トリステイン行きの船どころか、港も封鎖されるだろうね」
トリステインへの侵攻が原因で、いまやアルビオンはすっかり警戒されてしまっている。そして今のアルビオンは、怪獣さえも使役し、異端な技術で戦艦を異星人の宇宙船のように頑丈な形で強化したレコンキスタのことだ。秘密をばらされたり、自分たちの弱みがもれ出るのを少しでも避けようと、厳重な検閲と監視体制を整えることは間違いない。

「…いや、待てよ」

ふと、シュウが、何かを思いついたらしいのか、皆に向けて顔を上げた。
「マチルダさん、空賊たちが使っていたあの船…俺たちで奪わないか?」
「え…奪うって…あの船をかい!?」
港には、通常の便として使われている船だけではない。炎の空賊たちからレコンキスタが接収した船、アバンギャルド号もつながれていた。それを奪うという、突然の突飛さに富んだシュウの提案にマチルダが驚きをあらわにした。
「あの船をマジで奪うのかよ!?」
当然、アスカもこれには驚きを見せ、テファも目を丸くしていた。
「船を出せないのなら、やはりものにするしかない。それに幸いなことに…こいつもいる」
シュウはそう言うと、インテリジェンスナイフの地下水を取り出して皆に見せた。
「地下水、お前がサムに行った、人間を操る能力なら、監視の兵を操ることも可能なはずだ」
「へ、へえ…できねえことは確かにねえです」
「操るって…なんか俺たちが侵略宇宙人みたいで抵抗あるな…」
船を奪う。もし自分が異星人のアジトや宇宙船に連れ浚われた際に脱出するのなら自分もそうするが、アスカは相手を操るという手段はまるで悪党じみているようで強い抵抗感があった。
「でも、今の案は悪くは無いね。もうあたしたちには手段を講じてる場合じゃない」
マチルダは提案自体に反対することはなかった。
「でも、また先ほどのように怪獣が現れるこ
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