月下に咲く薔薇 22.
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ったが、そうとしか説明のつかない怪奇現象を知っているという。
忌々しい事に、他ならぬクロウ自身にも同様の怪体験があった。WLFのアジトに潜入し、囚われたマリナ・イスマイール姫とリリーナ・ドーリアンを救出した時にだ。
散々からかわれ最悪の気分であの男に背を向け走り出した後、クロウは一度だけ振り返っている。男の姿は見えなくなっていたが、当時は気にも留めなかった。あの辺りには、ドアの開いた監禁室がある。そこに入ったのだろうと考えれば辻褄が合ったからだ。
スフィア所持者と愛機の関係には、確かに不可解な点が存在する。クロウのブラスタがある瞬間を境に高出力領域をもう一段階引き上げた現象も、同じ範囲内の出来事として括る事ができるのかもしれない。
もしそれがスフィアなる人知を越えた代物が干渉した結果なら、アイムが突然この部屋から消えたところで驚くにはあたらない。ZEXISの皆が、アイムの不可解さを知るが故に同じ警戒をしているのだ。
「私を捕らえる? あなた方が? それも無駄な努力です。もしZEXISの為に私の知識を利用したいのなら、私に行動の自由を与えるのです。今日、そして明日の作戦時に」
クロウ達には無理な事を承知の上で、アイムが悪条件を突きつけた。
困惑による沈黙が室内を満たす中、誰一人何かを返す事ができずにいる。
「クロウ・ブルーストから異物を取り出す。いいでしょう。私とアリエティスで見事やり遂げて差し上げましょう」
− 23.に続く −
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