Fate/stay night
1177話
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部屋の中へと入っていく。
再び漂ってきたのはより強烈な死臭。
これは、生きながら腐っているということなのだろう。
俺の視線の先にあるのは、石棺とでも呼ぶのだろうか。石で出来た棺らしきものが並んでいた。
その中には、あー、うー、と呻いている者達。
それを見て、背後からは再び息を呑む音が聞こえてきた。
「そんな、これは……」
呟いた声は、誰のものだったのか。
凛? 綾子? 桜? イリヤ?
ともあれ、部屋の中に入っていった俺達が見たのは、俺の予想通りの代物。
「何なんだ、これは……」
「……魔力を搾り取っているわね」
棺の側に移動して調べていた凛の声が周囲に響く。
「何でそんな真似を?」
苦々しげな衛宮の声。
「綺礼はランサー以外にもサーヴァントと契約していたのよ。普通なら1人の魔術師が契約出来るサーヴァントは1人だけ。それは、衛宮君が1番よく分かっているでしょう?」
「……ああ。セイバーには魔力を殆ど与えてやれないからな」
「そういう事よ。どうやって綺礼が未知のサーヴァントを呼び出したのかは分からないけど、それを維持するのはこうやって魔力を搾り取っていたんでしょうね。……どうやってこの人達を集めたのかは分からないけど、綺礼の能力を考えれば誘拐とかは難しい話じゃないでしょうね」
「とにかく、一旦地上に運びましょう。このままここにいたのでは、どうしようもない」
セイバーの言葉に頷き、俺は全員に石棺の中にいる者を集めてくるように指示する。
そうして集めてきた者達を連れて影のゲートを使い、地上へと向かう。
地上へと影から姿を現した、その時。
念動力が危険を知らせてくる。
「ちぃっ!」
その危険を感じたのはセイバーも同様だったのだろう。エクスカリバーを手にして振り向き、同時に俺はゲイ・ボルクを振り抜き、こちらに向かってきた何かを弾く。
「雑種共、我の住処に忍び込むとは不敬な。……疾く、自害せよ」
そんな声が周囲に響く。
出たか、金ぴか。
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