Fate/stay night
1177話
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たんだ。どうやっても向こうが俺達が近づくのを察知出来るとは思えないし、もし察知していたとすれば俺の念動力で気が付かない筈がない。俺には理解出来ない何らかの理由でこっちの様子を窺っていたとしても、逃げ出す時間がない。となると、多分偶然教会の中にいなかったのか……あるいは、俺達が来たのを知って隠れたのか」
「あの綺礼が隠れる? ちょっと想像出来ないわね」
言葉には出さないが、俺もそれは否定しない。
凛が言っていたように、あの言峰が自分がピンチだからといって教会の隠し部屋とかに隠れている姿は想像出来ない。
まぁ、俺の場合は原作知識でのイメージで、実際に本物の言峰とは会った事がないから何とも言えないが。
ただ、この現状は俺にとって悪い事だけじゃない。言峰がいない以上はその探索をせねばならず……つまりは、スライムの出番な訳だ。
「教会の中の探索をする。セイバーとライダーは一応周囲の様子を探っていてくれ」
その一言にセイバーが頷き、ライダーもまたセイバーに引きずられるように頷く。
まぁ、ライダーは柳洞寺にはいかなかったから、スライムを見た事が……いや、バーサーカーとの戦いの時に見たか?
ただ、完全に戦闘用の宝具として認識している可能性が高い。
「スライム」
俺の言葉と共に、空間に穴が空いてそこから銀色の液体金属の触手が伸びてくる。
それを見た事のなかった者達が一瞬警戒をしたように身体を強張らせるが、それに構わずスライムを細い糸状にして教会の中へと侵入させていく。
音や温度といったものを中心として探査していくが、教会やそこに繋がっている言峰の居住スペースといった場所全てにスライムでの探索を行う。
結局予想通り1階に言峰の姿はなく、教会の奥の部屋から地下へと続く階段を見つけ、そこにもスライムを伸ばしていく。そして……
「見つけた」
「綺礼がいたのっ!?」
凛の鋭い叫びに、首を横に振る。
「いや、言峰じゃない。ただ、結構な人数の人が棺桶のようなものに押し込められている」
「それって死体じゃないのか? ここは教会だし」
衛宮の言葉も、確かに普通なら正しいだろう。だが……
「そうだな、棺桶に入れられているのが相当に弱っている生きた人間じゃなかったら、俺もそう思ったかもしれないな」
「っ!?」
俺の口から出た言葉に、衛宮が息を呑む。
いや、衛宮だけじゃない。他の面子も似たりよったりといったところだ。
何とか自然にこいつらの件を伝える事が出来たな。
「さて、どうする?」
衛宮が取るべき行動を理解していながら尋ねる。
それに返ってきた答えは、当然……
「助けるに決まってるだろう!」
という衛宮の言葉だった。
セイバーや桜といっ
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